ビタミンC以外の必要な栄養素を網羅する抜群の栄養バランス
【主な栄養素】
レシチン
レシチンとは、ホスファチジルコリンとも呼ばれ、リン脂質と呼ばれる脂質の一種です。脳や神経組織などに多く含まれ、細胞膜の主要な構成成分です。体内ではあらゆる細胞の膜に含まれており、生理機能を担い、神経伝達物質のアセチルコリンをつくる際にも必要とされます。学習や記憶、睡眠、脂質の代謝にも関わっており、肝臓を保護する働きもあります。
レシチンの種類と特徴
レシチンは、大豆レシチンと卵黄レシチンの大きく2つに大別されています。両方とも同じレシチンのため、働きや効果には大きな違いはありませんが、目的によって使い分けされています。
・大豆レシチンの特徴
大豆に含まれる大豆レシチンは、血液中に長く留まることができる特徴を持つため、動脈硬化や脳卒中、高脂血症や心臓病などへの予防、さらにはダイエット効果に優れています。
・卵黄レシチンの特徴
卵黄に含まれる卵黄レシチンは大豆レシチンに比べ、神経系に関与する成分のホスファチジルコリンが多く含まれていることから、脳機能改善への効果を得意としています。
記憶力や学習能力を高める効果
脳内では、神経細胞の間を情報伝達物質が活発に行き来しながら、記憶や判断などの働きを行っています。レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、体内に吸収されると脳まで届き、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンをつくる材料になります。レシチンであるホスファチジルコリンは血液脳関門を通り抜けて脳細胞に到達し、記憶や認識の機能、筋肉の動きのコントロールなど様々な生化学的なやりとりをサポートしています。レシチンが不足することでイライラや不眠症、記憶力の低下が起こる可能性があります。よって脳のアセチルコリン濃度が記憶保持や脳機能向上を左右しているともいえます。
アルツハイマー病や認知症を予防する効果
人間の脳内には、約30%ものレシチンが存在し、約140億個ともいわれる脳細胞の活動を支えているため、レシチンは「脳の栄養素」とも呼ばれています。しかしながら人間の細胞は20歳を過ぎる頃から1日に2万~3万個ずつ破壊され、年を重ねるごとに減少していく細胞の数が増加していきます。脳細胞の破壊や減少も同様に起こります。
また、脳の神経線維はレシチンでできたミエリン鞘という絶縁質で覆われています。このミエリン鞘が傷つくと神経線維が大きなダメージを受け、認知症やアルツハイマー病の原因になります。
したがって、日頃からレシチンをしっかり補給することで、アセチルコリンという記憶に関係した神経伝達物質の生成を促進し、アルツハイマーや認知症の予防や、記憶力を維持して学習能力を向上させるとともに、脳細胞の破壊を最小限に抑えることができます。
動脈硬化を予防する効果
動脈硬化の原因のひとつ に、血液中のコレステロールの増加が挙げられます。コレステロールが血管に付着するなどして血液の流れを悪化させることにより動脈硬化が起こります。本来 は溶け合うことのない水分と脂肪分ですが、レシチンの水と油を混ざり合わせる性質によって、コレステロールが血液中の水分に乳化するようになります。血中 のコレステロールをレシチンが溶かして、余分なコレステロールが血管壁に沈着することを防ぎ、細胞内や血液中でのコレステロール値を調整してくれると考え られています。
しかし、コレステロールは、細胞膜や神経組織の構成成分でもあり、胆汁 酸などの合成に必要な脂質で、食品からの摂取が少ない時は肝臓で合成され血流によって組織に運ばれます。また、血中コレステロールが増加しすぎると、肝臓 に戻されます。コレステロールはリポタンパクというたんぱく質と一緒に移動しますが、コレステロールとリポタンパクを結合させるのもレシチンです。肝臓か ら出ていくリポタンパクをLDL、肝臓に戻るものをHDLと呼び、一緒に移動するコレステロールをそれぞれにLDLコレステロール、HDLコレステロール といいます。LDLコレステロールは血中に増えすぎると血管壁に付着しやすいので悪玉、HDLコレステロールは比較的レシチンを多く含み、血管内の余分な コレステロールを掃除するので善玉と呼ばれています。
レシチンが多いと、悪玉(LDL)コレステロールが減り、善玉(HDL)コレステロールが増えるほか、肝臓内のコレステロール合成酵素ACATのはたらきが抑制されることも報告されており、高脂血症の改善や動脈硬化の予防につながります。
肝機能を高める効果
レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、肝臓での脂質代謝において必要とされます。また、コリンとは異なる経路でレシチンが肝機能を保護する作用も持っています。肝臓の細胞であるクッパー細胞や多核細胞を増加させ、肝臓内のHDLコレステロールを増加させることも報告されています。
また、レシチンには脂肪肝や肝硬変を予防・改善する効果があるといわれています。
レシチンは、細胞の健康維持のための仕分け役としても働きます。人体では主に細胞膜や細胞の核に存在しており、毎日新しい細胞をつくっています。細胞に必要な栄養分や酸素などを吸収すると同時に、不要な物質を細胞の外に排出する働きもあります。レシチンによってエネルギーの代謝効率が良くなるため、血糖値の低下や肥満予防効果も期待できます。また、脂肪の代謝を促進することで、肝臓内への脂肪の蓄積を防ぎ、脂肪肝や肝硬変の予防や改善に効果があることもわかっています。
美肌効果
レシチンの乳化作用は、コレステロールの分解や排泄に有効に働き、血液中の脂質を固まらせずにスムーズに流す作用を持ちます。
したがって、酸素や栄養分を体の隅々にまで行き渡らせることが可能となって美しい肌を保つことができます。
また、レシチンには皮膚を熱損傷によるダメージから守るはたらきも報告されており、皮膚保護作用も注目されています。
コリン
コリンは、リン脂質と呼ばれる脂質の一種で、細胞膜の主要な構成成分です。
体内では細胞膜や神経組織を構成するレシチンの材料とし存在しています。血管を拡張させて血圧を下げる神経伝達物質「アセチルコリン」として機能する他、記憶力を高め老化予防にも効果があり、肝機能を高める働きなどがあります。タンパク質を原料にして、体内で合成することもできます。
記憶力を高める効果
コリンは、記憶や学習に強く関係している神経伝達物質「アセチルコリン」のもとになる物質です。体内に吸収されると脳まで届き、レシチンの構成成分の一つとして、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンをつくる材料になります。
脳内のアセチルコリン濃度は記憶保持や脳機能向上を左右しているともいわれており、認知症の過半を占めるアルツハイマー型認知症の原因の一つは、 アセチルコリンの減少だと言われています。また、コリンそのものが脳の記憶形成を助ける働きがあると言われています。
肝機能を高める効果
コリンは最初、脂肪肝を防ぐ成分として発見されました。肝臓での脂質代謝に必要とされています。肝臓の細胞であるクッパー細胞や多核細胞を増加させ、肝臓内のHDLコレステロールを増加させることも報告されています。
動脈硬化を予防する効果
コリンは、リン酸、グリセリン、脂肪酸と一緒にレシチンを構成しています。
動脈硬化の原因のひとつ に、血液中のコレステロールの増加が挙げられます。コレステロールが血管に付着するなどして血液の流れを悪化させることにより動脈硬化が起こります。本来は溶け合うことのない水分と脂肪分ですが、レシチンの水と油を混ざり合わせる性質によって、コレステロールが血液中の水分に乳化するようになります。
血中のコレステロールをレシチンが溶かして、余分なコレステロールが血管壁に沈着することを防ぎ、細胞内や血液中でのコレステロール値を調整してくれます。
また、アテローム性動脈硬化症患者にコリンを補うと有意な死亡率の低下と血中コレステロール濃度の低下が認められました。
血圧を下げる効果
コリンはアセチルコリンの材料になります。アセチルコリンには、血管を拡張させて血圧を下げる作用があります。
アセチルコリンは、副交感神経の神経伝達物質として一般的に知られており、アセチルコリンがアセチルコリン受容体と結合することで作用を発揮します。アセチルコリン受容体の中でも、平滑筋や脳に存在する受容体M3に結合すると、血管平滑筋が拡張し、血圧が低下することが分かっています。
タンパク質
筋肉や皮膚、髪などはすべてタンパク質からできています。
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている必要な栄養素です。主にアミノ酸によって構成されています。
アミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドに分解されて体に取り込まれたあと、必要なタンパク質へと再形成されます。
自然には多くのアミノ酸が存在していますが、体の材料となりうるアミノ酸は、このうちの20種類です。これら20種類のアミノ酸がそれぞれの目的にあわせて数十~数百個以上結合し、約10万種類のタンパク質に形を変えます。
筋肉や肌、髪が同じタンパク質からできているのに形が異なるのは、このようなアミノ酸の組み合わせによるものです。
また、20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。これを必須アミノ酸、それ以外の11種類を非必須アミノ酸と呼びます。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
最大の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。
動物性タンパク質は多くのものが9種類の必須アミノ酸を含んでいますが、一部の植物性タンパク質は不足しているものがあります。アミノ酸全体の働きは不足している必須アミノ酸のレベルにあわせて制限されてしまうので、タンパク質を摂っているつもりでも足りていなかった、となってしまうことがあります(アミノ酸の桶の理論)。また、体内の吸収率も動物性タンパク質97%に対して、植物性タンパク質は84%となっています。
タンパク質が不足すると
体を作る材料が減ってしまうので、筋肉量の減少や、肌や髪のトラブル、集中力・思考力が下がってしまうことがあります。またタンパク質には保温効果があるため、不足すると体が冷えやすくなる可能性もあります。
逆に過剰摂取は体に大きな負担をかけることがあります。動物性タンパク質を意識するあまり、脂質も多く摂ってしまいカロリーオーバーや肥満を招く可能性も考えられます。
他にも、腸内環境の乱れや肝臓・腎臓にかかる負担からの内臓疲労も高まる可能性があります。
【こんなお悩みの人にオススメ】
□肌トラブル
□アンチエイジング
□不眠
□貧血
【選び方・保存のコツ】
殻にツヤがあり、なめらかで光沢があるものが新鮮です。また、水に入れたときに沈むのが新しく、浮くのは古い卵です。割ったときに白身がこんもりするのも新鮮なものです。
保存するときは尖った方を下にして置くのがポイントです。卵は適度な湿度を好むので、乾燥した冷蔵庫に入れるときはパックごとのほうがオススメです。
【美味しい旬は】
2月〜4月
※産卵量の減る冬は、母体内で卵が熟成するので美味しくなるといわれています。
卵で摂れる美肌栄養素
ビタミンA・ビタミンE・ビタミンD・ビタミンK・ビタミンB2・ビタミンB12・葉酸・パントテン酸・ビオチン・タンパク質・リン・鉄・亜鉛