VOL.489 マグロ〜タンパク質と良質な脂質

赤身とトロ、どちらにもそれぞれ利点がある高級魚

【主な栄養素】

タンパク質

筋肉や皮膚、髪などはすべてタンパク質からできています。
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている必要な栄養素です。主にアミノ酸によって構成されています。

アミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドに分解されて体に取り込まれたあと、必要なタンパク質へと再形成されます。

自然には多くのアミノ酸が存在していますが、体の材料となりうるアミノ酸は、このうちの20種類です。これら20種類のアミノ酸がそれぞれの目的にあわせて数十~数百個以上結合し、約10万種類のタンパク質に形を変えます。

筋肉や肌、髪が同じタンパク質からできているのに形が異なるのは、このようなアミノ酸の組み合わせによるものです。

また、20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。これを必須アミノ酸、それ以外の11種類を非必須アミノ酸と呼びます。

動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
最大の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。

動物性タンパク質は多くのものが9種類の必須アミノ酸を含んでいますが、一部の植物性タンパク質は不足しているものがあります。アミノ酸全体の働きは不足している必須アミノ酸のレベルにあわせて制限されてしまうので、タンパク質を摂っているつもりでも足りていなかった、となってしまうことがあります(アミノ酸の桶の理論)。また、体内の吸収率も動物性タンパク質97%に対して、植物性タンパク質は84%となっています。

タンパク質が不足すると
体を作る材料が減ってしまうので、筋肉量の減少や、肌や髪のトラブル、集中力・思考力が下がってしまうことがあります。またタンパク質には保温効果があるため、不足すると体が冷えやすくなる可能性もあります。

逆に過剰摂取は体に大きな負担をかけることがあります。動物性タンパク質を意識するあまり、脂質も多く摂ってしまいカロリーオーバーや肥満を招く可能性も考えられます。

他にも、腸内環境の乱れや肝臓・腎臓にかかる負担からの内臓疲労も高まる可能性があります。

ビタミンB6

エネルギー代謝の補酵素として重要なビタミンです。
特にタンパク質の分解・合成を助けるため、たんぱく質の摂取量が多いほどビタミンB6の必要量も多くなります。

免疫機能の正常な働きの維持、皮膚や粘膜の抵抗力の増進にも必要で、赤血球のヘモグロビンの合成にも欠かせない栄養素になります。また、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎ、肝脂肪の予防にも効果を発揮します。

神経伝達物質の合成にも関わるため、精神状態の安定に役立ちます。ホルモンのバランスを整える働きもあり、女性の味方となるビタミンといえます。

神経伝達物質のサポート
神経伝達物質にはGABAやセロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなどがあり、これらはアミノ酸によって合成されます。ビタミンB6はアミノ酸の代謝と関わっているため、神経伝達物質の合成を促進する作用があります。心を落ち着かせたいときに摂り入れたい栄養素です。

女性の味方の栄養素
ビタミンB6は、エストロゲンの代謝に関わり、ホルモンのバランスを整える働きがあります。赤血球の合成にも役立つため、月経前症候群 (PMS)の症状をやわらげる働きがあるといわれています。

また、妊娠するとタンパク質代謝が促進され、ビタミンB6が欠乏することでつわりが誘発されるという説から「ビタミンB6を補うとつわりが軽減される」という研究もあり、注目されています。

ビタミンB6が不足すると
ビタミンB6は食品から摂る以外に腸内細菌からもつくられるため、欠乏症が起こることはほとんどありませんが、妊娠中や、ピル (経口避妊薬)を飲み続けている時は、ホルモンの関係でビタミンB6の必要量が増加し、不足しやすくなります。

また、抗生物質を長期間服用していると、腸内細菌のバランスが崩れることによってビタミンB6を合成する働きが低下し、ビタミンB6の欠乏症が起こることがあります。

ビタミンB6が欠乏すると様々な代謝異常が起こり、特に皮膚と粘膜にトラブルが起きやすくなります。症状としては、舌炎、口内炎、口角炎、結膜炎や、目・鼻・耳などに脂漏性皮膚炎などが見られます。

血液中で鉄を運ぶ「ヘモグロビン」という物質を合成する時にも必要な栄養素なので、不足すると貧血が起こることもあります。

また、神経に異常が出て、末梢神経障害、けいれん、手足のしびれ、眠気、不眠症、食欲不振、倦怠感、情緒不安定、中枢神経の異常などが起こることがあります。

一方、大量に摂取した場合は、感覚性ニューロパシー(感覚神経障害)が起こりますが、通常の食事からの摂取ではまず過剰症の心配はないでしょう。

体内に酸素を巡らせて血色のいい肌をつくってくれるヘモグロビンに必要なミネラルです。不足すると貧血の原因となります。特に女性は不足しがちな栄養素です。

鉄分はからだの中に約3gあるといわれています。そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。吸収された鉄分は、酸化され、アポトランスフェリンというたんぱく質と結合してトランスフェリンとなり、血液に乗って体中に運ばれます。輸送された鉄分は、ヘモグロビンとなって酸素の輸送に関与するほか、筋肉中に酸素を蓄えるミオグロビンの構成成分になります。

食品中に含まれる鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄とに分けられます。たんぱく質と結合しているヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれていて、ヘム鉄以外の無機鉄を非ヘム鉄と言い、こちらは植物性食品に多く含まれています。

鉄分は日本人が不足しやすい栄養素の一つで、不足すると鉄欠乏性貧血になります。貧血になるとからだが重い、息がきれる、顔色が悪い、疲れやすいと感じるようになります。

貧血予防のためには、鉄分だけを補えばいいというわけではありません。ヘモグロビンは鉄(ヘム)とたんぱく質(グロビン)が結合してできているので、たんぱく質も摂取する必要があります。また、赤血球の合成に必要な、ビタミンB12や葉酸も十分に摂取しましょう。

通常の食事では過剰になることはありませんが、サプリメントなどによる過剰摂取は注意しましょう。長期にわたり過剰に摂取しつづけると鉄沈着症を発症する恐れもあり、非ヘム鉄サプリメント摂取で便秘、胃部不快感などの副作用がおこることもあるようです。

【こんなお悩みの人にオススメ】

□冷え・コリ
□肌トラブル

□不眠
□生理不順
□貧血

【選び方・保存のコツ】

刺身の切り身なら色が深いものが新鮮です。筋が平行に入っていると口の中で筋が当たって気になることがありません。

また、マグロは基本的に港まで冷凍で運ばれてくるので、再冷凍はあまりオススメできません。早めに食べ切るか、しょうゆなどに漬けて、づけにしたり、佃煮にするなどの加工をするのがいいでしょう。

【美味しい旬は】

通年
※種類や地域によって大きく異なります。基本的には船上で冷凍したものが流通しています。

マグロで摂れる美肌栄養素

ビタミンA・ビタミンE・ビタミンD・ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・タンパク質・マグネシウム・リン・鉄・ヨウ素

VOL.488 タイめし

切り身でつくるタイの出汁を生かした炊き込みご飯

材料(6人分)

タイ(切り身)・・・2切れ
 塩・・・小さじ¼
 酒・・・小さじ⅔

米・・・2カップ
雑穀・・・大さじ2

A
しょうゆ・・・大さじ2/3
塩・・・小さじ1/3
だし(または水)・・・1カップ
水・・・1カップ

菜の花・・・1/2束

作り方

①タイは塩、酒で下味をつけて、30分ほどおきます。米は炊く30分以上前にといで、ザルにあげて水気をきります。

②炊飯器に米、雑穀を入れて、Aを加えてひと混ぜし、タイをのせて炊きます。

③菜の花は茹でて細かく刻んでおきます。

④炊き上がったらタイの骨と皮を取り除き、③を加えます。全体を混ぜて、器に盛り付けたら完成です。

このレシピで摂れる美肌栄養素

ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンD・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ビオチン・タンパク質・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・食物繊維

VOL.487 フライパンアクアパッツァ

強い旨味だからキムチやニンニクと合わせていける一品

材料(2人分)

タイ・・・小1尾
 塩・・・少々
 こしょう・・・少々

玉ねぎ・・・1/4個
ニンニク・・・1/2片
プチトマト・・・8〜10個
オリーブ油・・・大さじ1
タイム・・・2〜3枚
ケッパー・・・大さじ1
白ワイン・・・大さじ2
塩・・・少々
こしょう・・・少々

作り方

①タイはウロコ、ワタを取り除き、塩、こしょうで下味をつけます。玉ねぎ、ニンニクはみじん切りにし、プチトマトはヘタをとり、半分に切ります。

②フライパンにオリーブ油、ニンニクを入れて弱火にかけ、香りが出たら玉ねぎを加えて炒めます。玉ねぎがしんなりしたらタイを加え、両面にこんがりと焼き色をつけます。

③タイに八分火が通ったら、プチトマト、タイム、ケッパー、白ワインを加えてフタをし、弱めの中火で10分ほど蒸し煮にします。

④タイに中まで火が通ったら、塩、こしょうで味を調えたら完成です。

このレシピで摂れる美肌栄養素

ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンD・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・タンパク質・カリウム・マグネシウム・リン

VOL.486 タイ〜ヘルシーで良質なタンパク質

脂肪は少なめでヘルシー、良質なタンパク質が豊富

【主な栄養素】

タンパク質

筋肉や皮膚、髪などはすべてタンパク質からできています。
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている必要な栄養素です。主にアミノ酸によって構成されています。

アミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドに分解されて体に取り込まれたあと、必要なタンパク質へと再形成されます。

自然には多くのアミノ酸が存在していますが、体の材料となりうるアミノ酸は、このうちの20種類です。これら20種類のアミノ酸がそれぞれの目的にあわせて数十~数百個以上結合し、約10万種類のタンパク質に形を変えます。

筋肉や肌、髪が同じタンパク質からできているのに形が異なるのは、このようなアミノ酸の組み合わせによるものです。

また、20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。これを必須アミノ酸、それ以外の11種類を非必須アミノ酸と呼びます。

動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
最大の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。

動物性タンパク質は多くのものが9種類の必須アミノ酸を含んでいますが、一部の植物性タンパク質は不足しているものがあります。アミノ酸全体の働きは不足している必須アミノ酸のレベルにあわせて制限されてしまうので、タンパク質を摂っているつもりでも足りていなかった、となってしまうことがあります(アミノ酸の桶の理論)。また、体内の吸収率も動物性タンパク質97%に対して、植物性タンパク質は84%となっています。

タンパク質が不足すると
体を作る材料が減ってしまうので、筋肉量の減少や、肌や髪のトラブル、集中力・思考力が下がってしまうことがあります。またタンパク質には保温効果があるため、不足すると体が冷えやすくなる可能性もあります。

逆に過剰摂取は体に大きな負担をかけることがあります。動物性タンパク質を意識するあまり、脂質も多く摂ってしまいカロリーオーバーや肥満を招く可能性も考えられます。

他にも、腸内環境の乱れや肝臓・腎臓にかかる負担からの内臓疲労も高まる可能性があります。

DHA

 不飽和脂肪酸。脳の活性化や成長、神経伝達に不可欠です。欠乏すると物忘れがひどくなったり、集中力が低下します。青い背の魚に多く含まれます。

ビタミンE

「若返りのビタミン」と言われる、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぎます。また、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあり、加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立ちます。

ビタミンEは、紫外線や外的刺激から肌を守り、適度な潤いを保つために必要な「バリア機能」を安定させます。また、ビタミンEには血行促進作用があり、皮膚の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促します。シミ・ソバカスが気になる方も積極的にとりたい美肌栄養素です。

脂溶性ビタミンであるビタミンEは、生で食べるよりも炒めものなど、油脂と一緒に摂取する方が吸収率が高くなります。酸化しやすい性質があるため、鮮度の良いうちに食べた方がいいでしょう。ビタミンC、βカロテン、ビタミンB2、セレンと一緒に摂ることで抗酸化力アップにつながります。

さまざまな食品から摂取できるため欠乏症は起こりにくいと考えられていますが、「欠乏した場合」、溶血性貧血、不妊症、眼の障害、筋力低下、神経障害などが起きる可能性があります。血行も悪くなり、冷え性や頭痛、肩こりなどを起こしやすくなります。また、血液中のコレステロールも酸化しやすくなるため、これが血管壁に入り込んで溜まり動脈硬化の原因につながります。

また、体内に蓄積されにくい特性を持っているため、通常の食生活では過剰の心配はありませんが、アンチエイジングを謳ったサプリメントや健康食品等で、「長期の過剰摂取」により軽度の肝障害のリスクがあるため、目安量の摂取を心がけましょう。

【こんなお悩みの人にオススメ】

□冷え・コリ
□肌トラブル
□アンチエイジング
□不眠
□生理不順
□貧血

【選び方・保存のコツ】

一般的に出回っているのは真鯛です。身に厚みがあって尾の付け根が太く、色が鮮やかなものが美味しいとされています。

保存するときは丸ごとなら内臓を抜いて水気を拭き、ラップできっちり包みます。切り身にしてから冷凍もできるが、余るようならデンプンやみそ漬けなどの保存食にアレンジしてみましょう。

【美味しい旬は】

2月〜4月

タイで摂れる美肌栄養素

ビタミンE・ビタミンD・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・タンパク質・カリウム・マグネシウム・リン

VOL.485 しめさばのてまり寿司

酢でさっぱりとしめれば臭いも気にならない一品

材料(2人分)

しめさば・・・1枚
米・・・1カップ
青じそ・・・5枚
甘酢しょうが・・・20g
いり白ごま・・・大さじ1

作り方

①米は炊く30分以上前にといで、ザルにあげて水気をきります。

②青じそ、しょうがは千切りにします。

③①は普通の水加減で炊きます。

④ご飯が蒸れたら、熱いうちに甘酢しょうがを切るようにして混ぜ合わせ、あおぎながら冷まします。全体になじんだら、青じそ、ごまを加えて混ぜます。

⑤④を丸く握り、そぎ切りにしたシメサバでくるみ、もう一度軽く握ったら完成です。

このレシピで摂れる美肌栄養素

ビタミンE・ビタミンD・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・タンパク質・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・ヨウ素

VOL.484 サバのキムチチゲ

強い旨味だからキムチやニンニクと合わせていける一品

材料(2人分)

サバ・・・1/2尾
水菜・・・1/2袋
木綿豆腐・・・1/2丁
にら・・・1/2束
エリンギ・・・2本
キムチ・・・200g
水・・・3カップ

A
しょうゆ・・・大さじ1
スープの素・・・小さじ1
ニンニクのすりおろし・・・1/2片分
ごま油・・・大さじ1/2

作り方

①サバはそぎ切りにします。

②水菜は5cmの長さに切ります。豆腐は食べやすい大きさに切り、にらは3cmの長さに切ります。エリンギは手で裂き、キムチは食べやすい大きさに切ります。

③鍋に分量の水を入れて沸かし、Aを入れます。

④③にキムチ、豆腐を加えて、再び煮たったらサバを加えます。火が通ったら、その他の具を加えてサッと火が通ったら完成です。煮ながら食べます。

このレシピで摂れる美肌栄養素

ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンD・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・タンパク質・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・ヨウ素・食物繊維