頭皮:髪=8:2の割合
髪は、頭皮を洗った残りの泡で洗い流すのが基本
一般的に、シャンプーで「髪を洗う」という言い方をします。しかし本当は、「頭皮を洗う」と言ったほうが正しい表現です。
髪の汚れはたいてい水で素洗いするだけで落とせます。シャンプーで落とすべきなのは頭皮の汚れのほうです。水だけでは落とせない皮脂などの油汚れをシャンプーで落とします。とくに毛量が多い後頭部は汚れがたまりがちなので、念入りに洗いましょう。
髪は頭皮を洗った残りの泡で洗い流すくらいで十分です。ゴシゴシ洗うとキューティクルを傷つけ、ダメージをまねいてしまいます。
正しいシャンプーは髪のたるみ防止にもなる
頭皮がたるむと、そのせいで毛穴がゆがみ、もみあげやえりあし、こめかみあたりの髪にクセが出ることがあります。それを回避する簡単で確実な方法は、毎日正しくシャンプーすることです。
シャンプーしながら日々頭皮をマッサージしていれば、たるみを防げます。頭皮と顔の皮膚が一枚の皮でつながっていますから、朝のたるみ予防にもなって一石二鳥です。
頭皮の毛穴がつまったり、血行が悪くて栄養がいきわたらなかったりすると、すこやかな髪は生まれません。頭皮の清潔さを保ち、マッサージで血行をよくしましょう。
月に一度のディープクレンジング
スカルプケアは常識に
毎日シャンプーしていても、落としきれない汚れはあります。だから定期的な頭皮のディープクレンジングは必要かつとても有効です。サロンでもスカルプケアをする人が増えているようです。
ノンシリコン製品が増えて、シリコンが悪者のような印象を受けがちですが、そうではありません。
シリコンは毛髪に皮膜を張って手触りをなめらかにし、摩擦ダメージを減らすのにとても有効です。安全性にもすぐれています。ただし、大量に塗布すると他のヘアケアの働きをさまたげ、肌トラブルを起こすおそれがあります。
シリコンが悪いのではなくて、使いすぎが問題なのです。
水と油を仲良くさせて汚れを浮き上がらせる
シャンプーの役割は汚れを落とすことです。その要素となるのが界面活性剤です。
頭皮や毛髪の汚れには2種類あり、皮脂やスタイリング剤の残留物などの油汚れと、ホコリなど水に溶ける汚れに分けられます。油と水の両方になじむ性質をもつ界面活性剤は油を包み込み、表面を親水性へと変化させ、水に浮き上がらせて落とします。本来、水と混じり合わないはずの油汚れが水で落とせるのは、界面活性剤のおかげなのです。
前回紹介した洗浄剤も、すべて界面活性剤の一種です。いちがいに、泡立ちのよさ=洗浄力のよさではありませんが、シャンプーの場合は泡がクッションの役目を果たし、摩擦やからまりを防ぐので、泡立ちがよいほうが髪へのダメージは少なくなります。頭皮への負担を心配するのであれば、刺激の少ないアミノ酸系やペダイン系を選ぶといいでしょう。
シャンプーが油汚れを落すしくみ
①界面活性剤が、油汚れの表面に付着します。
②油汚れを包み込み、浮き上がらせます。
③油汚れが水に溶け出し、洗い流される。
以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類した表です。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。
ベタイン系
メリット
安全性が高く、低刺激です。保水性も高い。泡立ちはアミノ酸系よりもよいが、高級アルコール系よりは弱い
デメリット
高級アルコール系より価格が少し高めです
どんな髪似合うのか
ダメージ毛、敏感肌
成分表で見分けるキー成分
名前の最後に、〜ベタインとつくもの
以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類した表です。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。
高級アルコール系
メリット
泡立ちがよく、洗浄力も高いです。比較的安価なものです
デメリット
脱脂力や刺激が強い
どんな髪・肌に似合うのか
脂っぽい頭皮や脂性肌に向いている
成分表で見分けるキー成分
名前の頭に、ココイル〜、コカミド〜、ラウロイル〜がついているもの
以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類しています。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。
石けん系
メリット
アルカリ性で洗浄力が非常に高いです。刺激は中間的。生分解性(微生物によって分解される性質)にすぐれて、環境に優しいです
デメリット
ゴワつきやきしみを感じやすく、パーマだれやヘアカラーの褪色が早い
どんな髪似合うのか
健康毛、普通肌
成分表で見分けるキー成分
脂肪酸エステル、脂肪酸ナトリウム
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