VOL.232 シャンプーは意識して洗う

頭皮:髪=8:2の割合

髪は、頭皮を洗った残りの泡で洗い流すのが基本

一般的に、シャンプーで「髪を洗う」という言い方をします。しかし本当は、「頭皮を洗う」と言ったほうが正しい表現です。

髪の汚れはたいてい水で素洗いするだけで落とせます。シャンプーで落とすべきなのは頭皮の汚れのほうです。水だけでは落とせない皮脂などの油汚れをシャンプーで落とします。とくに毛量が多い後頭部は汚れがたまりがちなので、念入りに洗いましょう。

髪は頭皮を洗った残りの泡で洗い流すくらいで十分です。ゴシゴシ洗うとキューティクルを傷つけ、ダメージをまねいてしまいます。

正しいシャンプーは髪のたるみ防止にもなる

頭皮がたるむと、そのせいで毛穴がゆがみ、もみあげやえりあし、こめかみあたりの髪にクセが出ることがあります。それを回避する簡単で確実な方法は、毎日正しくシャンプーすることです。

シャンプーしながら日々頭皮をマッサージしていれば、たるみを防げます。頭皮と顔の皮膚が一枚の皮でつながっていますから、朝のたるみ予防にもなって一石二鳥です。

頭皮の毛穴がつまったり、血行が悪くて栄養がいきわたらなかったりすると、すこやかな髪は生まれません。頭皮の清潔さを保ち、マッサージで血行をよくしましょう。

月に一度のディープクレンジング

スカルプケアは常識に

毎日シャンプーしていても、落としきれない汚れはあります。だから定期的な頭皮のディープクレンジングは必要かつとても有効です。サロンでもスカルプケアをする人が増えているようです。

VOL.231 シリコンって髪にいいの?悪いの?

ノンシリコン製品が増えて、シリコンが悪者のような印象を受けがちですが、そうではありません。

シリコンは毛髪に皮膜を張って手触りをなめらかにし、摩擦ダメージを減らすのにとても有効です。安全性にもすぐれています。ただし、大量に塗布すると他のヘアケアの働きをさまたげ、肌トラブルを起こすおそれがあります。

シリコンが悪いのではなくて、使いすぎが問題なのです。

VOL.230 界面活性剤って何だろう

水と油を仲良くさせて汚れを浮き上がらせる

シャンプーの役割は汚れを落とすことです。その要素となるのが界面活性剤です。

頭皮や毛髪の汚れには2種類あり、皮脂やスタイリング剤の残留物などの油汚れと、ホコリなど水に溶ける汚れに分けられます。油と水の両方になじむ性質をもつ界面活性剤は油を包み込み、表面を親水性へと変化させ、水に浮き上がらせて落とします。本来、水と混じり合わないはずの油汚れが水で落とせるのは、界面活性剤のおかげなのです。

前回紹介した洗浄剤も、すべて界面活性剤の一種です。いちがいに、泡立ちのよさ=洗浄力のよさではありませんが、シャンプーの場合は泡がクッションの役目を果たし、摩擦やからまりを防ぐので、泡立ちがよいほうが髪へのダメージは少なくなります。頭皮への負担を心配するのであれば、刺激の少ないアミノ酸系やペダイン系を選ぶといいでしょう。

シャンプーが油汚れを落すしくみ

①界面活性剤が、油汚れの表面に付着します。

②油汚れを包み込み、浮き上がらせます。

③油汚れが水に溶け出し、洗い流される。

VOL.229 主な洗浄剤の特性 ベタイン系

以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類した表です。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。

ベタイン系

メリット
安全性が高く、低刺激です。保水性も高い。泡立ちはアミノ酸系よりもよいが、高級アルコール系よりは弱い

デメリット
高級アルコール系より価格が少し高めです

どんな髪似合うのか
ダメージ毛、敏感肌

成分表で見分けるキー成分
名前の最後に、〜ベタインとつくもの

VOL.228 主な洗浄剤の特性高級アルコール系

以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類した表です。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。

高級アルコール系

メリット
泡立ちがよく、洗浄力も高いです。比較的安価なものです

デメリット
脱脂力や刺激が強い

どんな髪・肌に似合うのか
脂っぽい頭皮や脂性肌に向いている

成分表で見分けるキー成分
名前の頭に、ココイル〜、コカミド〜、ラウロイル〜がついているもの

VOL.227 主な洗浄剤の特性 石けん系

以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類しています。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。

石けん系

メリット
アルカリ性で洗浄力が非常に高いです。刺激は中間的。生分解性(微生物によって分解される性質)にすぐれて、環境に優しいです

デメリット
ゴワつきやきしみを感じやすく、パーマだれやヘアカラーの褪色が早い

どんな髪似合うのか
健康毛、普通肌

成分表で見分けるキー成分
脂肪酸エステル、脂肪酸ナトリウム