VOL.192 肌の若さを保つエストロゲン

エストロゲンの分泌が肌年齢に大きく影響する

「肌年齢は卵巣年齢」といわれますが、女性の肌年齢には、卵巣から分泌される女性ホルモンが大きく影響しています。前述したように、エストロゲンは肌の水分を保持し、肌のハリや弾力に欠かせないコラーゲンを増やす働きがあります。

しかし、30代半ばごろから卵巣機能が徐々に低下し始め、50歳前後で閉経を迎えるころになると、エストロゲンは急げきに減少してしまいます。エストロゲンの減少により、更年期には心身にさまざまな症状が現れやすくなり、肌もコラーゲンが減り、肌老化が急速に進行しやすくなります。

卵巣年齢を若く保ちエストロゲンを減らさない

睡眠不足解消

不摂生な生活が続くと卵巣機能に悪影響を与え、エストロゲンの働きが低下することがあります。それを防ぐために見直したいのが睡眠です。睡眠不足が続くと、自律神経やホルモン分泌のバランスが乱れます。そして女性ホルモンの分泌にも悪影響を与えます。まずは規則正しい睡眠をとることが重要です。

栄養バランスと適正体重

続いて見直したいのが食事です。卵巣をつねに若く健康に保つためには、偏った食事や無理なダイエットは避けて、栄養バランスのよい食事をすることが大切です。BMI値20〜25が標準的な体型ですが、太りすぎても痩せすぎてもエストロゲンの働きは低下します。脂肪がエストロゲンの代謝に関わっているからです。ゆえに適正体重の維持が大切です。

※ BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

適度な運動

エストロゲンキープのためには運動も必要です。骨盤内の血流が低下すると、卵巣の機能も低下します。卵巣機能を高めるにも、血行をよくするエクセサイズやツボ押しが効果的です。また、女性ホルモン様作用をもつイソフラボンや漢方薬をとり入れるのもおすすめします。

エストロゲン不足になりやすい人まとめ

□ 莫むりにつく時間は日によってまちまちである

□ 睡眠が平均して1日6時間以下である

□ 運動習慣がほとんどない

□ 食事を大幅に制限するようなダイエットをしている

□ 心ときめくようなことがまったくない

つづく…

Vol.191 体の中から若返る究極の若肌へ

根幹的アプローチ「体内美容戦略」

肌は体の状態を映し出す鏡のようなものです。体が若く健康であってこそ、若々しい美肌を保つことができるのです。

みなさんは若さや健康に自信がありますか?

これから体の内側から若返る秘訣を、4つほどご提案します。

・若さと美しさには欠かせない女性ホルモンのキープ

・肌の生まれ変わりを促す良質な睡眠をとる

・血管年齢を意識する

・ストレスを上手に消化する

これらを実践するための食事や睡眠、運動方法などのコツをご紹介します。体の外側と内側からのダブルケアで究極の若肌をめざしましょう。

つづく…

VOL.190 敏感肌の正しいケア方法

ちょっとした刺激が影響する敏感肌

化粧品にかぶれやすい、少しこすれただけで赤みが出やすいなど、ちょっとした刺激で肌トラブルを起こしやすい肌質のことを敏感肌といます。敏感肌にはアレルギー体質など生まれつきの要素も関係しますが、年齢とともに肌が敏感になってきたと感じるのであれば、セラミド不足が原因かもしれません。

セラミドは、前述したように、肌の水分を守る保湿物質です。セラミドが不足すると、肌の水分が逃げるだけでなく、外部からの刺激から肌を守るバイリア機能も低下します。こうした敏感肌を防ぐには、正しい保湿方法ですこやかな肌を育みましょう。

また、間違ったケアをして、敏感肌をつくってしまっている人もいますので、注意が必要です。洗浄力の強いオイルやリキッドタイプのクレンジング、日焼け止め下地、リキッドファンデーションなどが肌の乾燥を招いて、肌を敏感肌にしてしまうことがあります。

角質のバリア機能の働き

ターンオーバーが正常に行われている肌の角質は、角質細胞同士をつなぎとめるセラミドなどの角質細胞間皮質が充分にあります。それによってバリア機能が保たれ、外部の刺激をシャットアウトすることができるのです。

バリア機能が低下すると

ターンオーバーが低下すると、角質のセラミドが減少して肌の水分が失われます。こうなるとバリア機能が低下し、外部刺激が肌の奥まで入り込んでしまい、刺激に弱い肌になってしまうのです。

敏感肌の正しいケア方法

セラミド配合の美容液で保湿を強化する

敏感肌のバリア機能回復には保湿が一番大切です。最強の保湿方法は、セラミドなど水分と結合する成分を補うことになります。

クレンジング料は洗浄力がマイルドなクリームタイプを

クレンジング料は、洗浄力が強すぎない敏感肌用のクリームタイプがおすすめです。適度な硬さがあるもののほうが、肌をこすらなくて良いからです。

ファンデーションは肌にやさしいパウダータイプで

クリームやリキッドタイプのファンデーションは水分を含むため、顔料をその中に分散させるための界面活性剤や保存のための防腐剤が入っています。肌へのやさしさで選ぶのならパウダーファンデーションがおすすめです。パウダーが粉っぽくて苦手な人は、固形の練りファンデーションにしてみましょう。

極端に敏感に傾いたときは保湿中心のシンプルケアに

水もしみるほど肌が敏感なときは、クリームだけをつけます。UV対策は肌に刺激がある日焼け止め化粧品は避けて、パウダーフェンデーションかフェイスパウダーを使うようにしましょう。

VOL.189 ドクターズコスメはエイジングケアに効果的?

化粧品選びのなるほど Q&A 3

Q. ドクターズコスメはエイジングケアに効果的か?

A. 商売目的なのか治療目的なのかによって違う

ドクターズコスメは、医師が開発しているから効果が高いと思われがちですが、医師の名前を冠している化粧品でも、どこまで医師が成分についてわかっているかはケースバイケースです。なぜなら皮膚科の医師であっても、化粧品に詳しい人とそうでない人がいるからです。ただし、クリニックでの肌の治療の一環として開発されているドクターズコスメの場合は、市販の化粧品よりも高濃度に有効成分が配合されてものがあるのも確かです。

単なる商売目的のものと治療目的のものと見分けるための手がかりは、クリニックの方針などを見極めることでしょう。

Vol.188 オーガニックコスメは肌にやさしい?

化粧品選びのなるほど Q&A 2

Q. オーガニックコスメは肌にやさしいのでしょうか?

A. 敏感肌の人は避けたほうが賢明です

食の安全性が問われる時代のためか、化粧品もオーガニックがブームになっています。しかしオーガニックコスメは医学的には肌にやさしいとは言えません。植物エキスは化学構造が複雑なので、肌につけるとかぶれやすいのです。また日本ではオーガニックコスメに関する明確な規定がないので、添加物が多いものもあります。

肌にやさしいといえるのは、オーガニックではなくではなく、界面活性剤のような添加物を抑えた化粧品のことです。植物性エキスを含むものは、敏感肌の人は避けたほうが賢明です。

しかし、オーガニックというイメージは、精神的な癒し効果がありますので、日々のケアに取り入れてみたい人は、顔につける化粧品ではなく、ボディクリームやバスオイルを使ってみてはいかがでしょうか。それらはかぶれにくいので、雰囲気を楽しむのはよいかと思います。

つづく…

Vol.187 高い化粧品ほど効く?

化粧品選びのなるほど Q&A 1

Q. 高い化粧品ほど効く?

A. 化粧品である以上、効果には限界がある

化粧品の値段はかなりばらつきがありますが、値段と中身が比例するわけではありません。ただし、化粧品にも標準価格帯があり、ほとんどのアイテムが通常2,000〜5,000円くらいで、美容液などは3,000〜1万円くらいが標準でしょう。標準価格帯以下になると使える成分が限られてくるので、それよりも低いものは中身もそれなりということになります。

すでにご存知かと思いますが、化粧品の原料にもグレードがあります。たとえば同じヒアルロン酸やビタミンCでも、ランクの上のものと下のものとでは、効果や安定性に差が出ることもあります。同じビタミンC化粧水なら安いほうがお得というものでもありません。

しかし、何万円もする化粧品になると、材料費が高いから値段が高いわけではなく、それだけの研究がなされているという根拠のようなものです。ただし化粧品である以上(薬ではないので)効果には限界があります。効果を信じて投資をする場合は、高いから効くのではないので、自分でよく選ぶことが大切になります。

つづく…