Vol.130 肌に老化をもたらす紫外線

肌老化の原因65%を占める最大の敵「紫外線」

シミ、シワ、たるみなどの肌老化の元凶
肌老化でいちばん恐るべき敵は紫外線です。肌老化の65%は紫外線によるもので、「光老化」といわれています。

通常、日光を浴びると、肌を守ろうとしてメラニン色素がつくられますが、その後のターンオーバーによって排せつされる仕組みになっています。しかし、くり返し紫外線を浴びてしまうと、メラノサイトの数が増えたり、表皮が暑くなるなどの変化が起きてシミができてしまします。

また、真皮にまで到達した紫外線の影響は、肌のハリを保つコラーゲンを変性や劣化を起こし、弾力が失われてしまいます。

紫外線のダメージは、日々蓄積される
毎日の紫外線対策をおこたると、ダメージがジワジワとつみ重なり、肌に蓄積されていきます。あるレベルに達するとシミなどのトラブルとなって表面化し、急に目立つようになります。

知らず知らずのうちに危険にさらされているため、紫外線についてよく理解しておくことが大切になります。

太陽光線をエネルギー量で分けると、50%は可視光線で、5%が紫外線、残りが赤外線となります。

可視光線はまぶしく、赤外線は暖かさや暑さを感じます。しかし、紫外線は熱もまぶしさも感じないので、紫外線を浴びている実感ができないのです。

UVとはULTRAVIOLETの略で、紫外線のことです。紫外線にはA波(UV-A)とB波(UV-B)があります。

A波(UV-A)
エネルギーは弱いものの、ジワジワと肌の真皮にまで到達します。雲を通り抜けるので、曇りの日でも照射料はあまり変わりません。

B波(UV-B)
エネルギーが強く、表皮にサンバーン(肌を赤くヒリヒリさせる状態)を起こします。雲やガラスなどである程度さえぎられます。

A波B波ともに肌老化を促進しますので、紫外線を徹底的にブロックし、肌を守ることが重要になります。

つづく…

Vol.129 肌のしくみのおさらい 2

真皮

真皮は、表皮の下にある肌の土台のようなものです。おもな役割は、肌の弾力を保ち、真皮内部にある毛細血管により栄養と酸素を、肌のすみずみまで届けることです。表皮の下で、ふっくらとした肌の土台になります。

コラーゲンは、肌の主な成分
丈夫なタンパク質からできた線維で、水分を除いた真皮の70%を占めている主要成分です。真皮の中に網目状のネットワークをつくることで、弾力をキープしています。シワやたるみは、このコラーゲンの減少や変性によって肌の弾力が失われてしまうことがおもな原因となります。

エラスチンは、コラーゲンをつなぐ線維
ゴムのような弾力のある線維でコラーゲンのところどころをつなぎ止めるように支えています。水分を除いた約5%を占めていますが、年齢とともに減ってしまうので、これもシワやたるみの原因となります。

ヒアルロン酸は、すき間を埋めるゼリー
コラーゲンやエラスチンでつくられた網状構造のあいだを埋め尽くしているゼリー状の物質です。ゼリー状なので弾力もあり、真皮の構造を安定させ保ちます。このヒアルロン酸は水分保持力が高く、化粧品では保湿成分として配合されています。

Vol.128 肌のしくみをおさらい

表皮

肌のいちばん上にあるのが表皮です。「角層」と「角層以下の表皮」によって構成されています。外的刺激から肌を守る役割です。うるおいを保ちながら、肌のすこやかさと美しさを守ります。

角層は、外敵から身を守るバリア
顔の場合、角質細胞がレンガ状に約20層積み重なってできている層になります。水分を約20%含んでいます。

角層はラップフィルムと同じくらいのわずか0.02mmの薄さですが、肌に触れる外部からの刺激などが体内に入らないように守ったり、肌内部の水分が蒸発しないように守ったりと、バリアの働きをします。

角層以下の表皮は、肌の生産工場
真皮との境目にある「基底層」で生まれた表皮細胞が、しっかりとくっつき、のびても破れないような丈夫な表皮をつくっています。

そのほか、外的刺激から肌を守る免疫細胞や、メラニン色素をつくり出すメラノサイトも含まれています。摩擦などの物理的刺激や科学的刺激を、総合的に防御する重要な働きを持っています。

つづく…

Vol.127 水分を与えればいいという誤解

乾燥するとシワになる!?

肌老化の代表といえば「シワ」です。シワの原因は乾燥だと、みなさんは信じていませんか?

たとえばコスメカウンターなどで、肌の水分量チェックを受けて、お肌が乾燥していますねといわれて、焦って化粧水を買い込んでしまう経験がある方も多いのではないでしょうか。シワは乾燥によってできているから、肌には化粧水で水分をたっぷり補えばよい、というのが美容の定説として浸透しています。しかし、世間一般に支持されているこの常識こそが、エイジングケアの最大の誤解になります。

たとえば、水分が抜けた干ししいたけはシワシワです。それを水で戻すとシワがのびてふっくらもと通りです。それと同様に、肌にも化粧水をたっぷりと与えれば、うるおってシワが伸びるものと思いがちですが、残念ながらそうはならないのです。

皮膚科学的にいうと、シワは乾燥ではなく肌のコラーゲンの減少が大きな原因となります。間違った情報に惑わされずに、エイジングケアについて正しい知識を持てるようにしましょう。

Vol.126 エイジングケアは原因を知ることから

最近、肌のハリがなくなってきた、肌がくすんでゴワついている、目元のシワがはっきりと目立ってきた。自分の肌に年齢を実感したとき、誰もが焦りや不安を感じると思います。ただやみくもにシワ用、シミ用などと書かれた化粧品や高価なパックなどに手を出すことが賢いとはいえません。

エイジングケアの秘訣は、まず原因を知ることから始めます。肌の老化となどういうことなのか、なぜ起こるのか。それがわかれば、おのずと若々しくいるための方法がわかってきます。まずはエイジングについて正しい知識を身につけることが大切になります。

Vol.125 エイジングケアでマイナス5歳肌へ

悩みの大半が毛穴、シミ、シワ、たるみ
エイジングは避けられないとわかっていても、少しでも予防したいものです。そのため自分の肌にいちばんいいケアをしたいと思うでしょう。大切な時間とお金をつぎ込んでいる方も実際には多いようですが、どうしたらいちばんよいケアが見つかるのでしょう。

肌の悩みのほとんどが似ていて、毛穴、シミ、シワ、たるみ、この4つにエイジングの悩みの大半が集約されます。

メラニンの増加とコラーゲンの減少が原因
肌の中で起こっていることはさらにシンプルで、シミはメラニンが原因です。また、毛穴が開いてくることと、シワとたるみは主にコラーゲンの減少や変性によるものです。つきつめると肌老化の問題の大半がメラニンの増加とコラーゲンの減少が原因といっていいでしょう。

では、これらをケアするにはどうしたら良いのでしょうか。答えもシンプルで、ホームケアとしてできることで、とくに有効なものといえば、ビタミンC誘導体、レチノールなどがコラーゲンを増やす働きを促し、各種美白成分がメラニンの増加を抑えます。こうなると、無数の化粧品の中から有効なものを選ぶのも難しくありません。

みなさまがエイジングに関して正しい知識を持ち、自分に合った正しいケアを選択していただくための、お手伝いができればと思います。