「ミネラル類」カテゴリーアーカイブ

VOL.963 身体にやさしい最良の献立づくり②

基本の献立「一汁三菜」

主食、主菜、副菜に加えて乳製品や果物も

基本の献立は「一汁三菜」です。つまり、主食と汁物、主菜と副菜など3つのおかずを組み合わせた食事のことです。食材の種類が増え、摂れる栄養素も自然と多くなり、全体として彩もよく、栄養バランスが整うようになります。

主菜は肉や魚などのタンパク質を中心としたおかずにして、副菜や汁物には野菜や海藻などを使い、ビタミンやミネラルを補うようにします。主菜が植物性タンパク質の豆腐などの場合は、副菜や汁物に動物性タンパク質をプラスしましょう。
主食は、ごはん、麺類、パンなどですが、真っ白く精製されたものよりも玄米、全粒粉、胚芽入りを選ぶと、ビタミンやミネラル類、食物繊維が増えます。

基本の献立に加えてデザートや間食には、乳製品や果物を組み合わせましょう。更年期に摂りたいタンパク質、カルシウム、そのほかのミネラル、ビタミン類、抗酸化物質を補えるようになります。

一食で考える基本の献立

まずは、1食分の基本の献立を覚えましょう。主食、主菜、副菜、汁物を揃えると栄養バランスの確保がしやすくなります。

主食

ご飯や麺類、パンなど。
三大栄養素のひとつである炭水化物は、エネルギー過多にならないように気をつけながら毎日摂ることが大切です。

主菜

肉(牛、豚、鶏)や魚。大豆製品などが中心のおかず。
三大栄養素の良質なタンパク質しっかり摂りましょう。

副菜①

野菜や大豆製品などのおかず。
主菜では不足がちなビタミンやミネラル類、食物繊維を補いましょう。

副菜②

副菜①だけでは摂りにくい栄養を補うためのおかず。
油を使った料理でないものがよい。

汁物

胃腸を温めて食欲を促進させます。
塩分が多くなりがちなので、具材を多くするのがポイントです。

VOL.960 更年期のいろいろな不調⑤

高血圧、脂質異常症

閉経以降は生活習慣病のリスクが高まる

卵巣でつくられている女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の主要な働きは、妊娠・出産の準備のために身体を整えることです。また、肝臓などの臓器や血管などを健康に保ち、女性の身体をさまざまな病気から守るという大切な役割も果たしています。

具体的には、エストロゲンには悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。そのためエストロゲンの分泌が低下する40代半ばからメタボリックシンドロームの因子が増えていきます。食事の内容は若い頃から変わっていないのに、コレステロール値、血圧、血糖値など健康診断の数値に異常が現れます。

体型も気になりはじめ、ぽっこりとお腹だけが出る内臓脂肪蓄積型肥満へと変化します。一番重大なことは、高血圧や高コレステロール、高血糖などが重なっていくと、より深刻な疾患につながるということです。血管の壁が厚く、かたくなる動脈硬化を発症し、やがて心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害を起こす原因となります。

食事面は、これまで摂りすぎていた塩分や脂質の摂取量を摂りすぎないように意識して気をつけましょう。また、適度な運動を習慣化することも大切です。ウォーキングや軽い筋トレなど取り入れるほか、家事などでできるだけ身体を動かす意識をもつようにしましょう。

おすすめ食材と食べ方

低塩、良質な脂質、ビタミン類、ミネラル類

塩分を控えめにして、青魚などから良質な脂質を効果的に摂取しましょう。さらに代謝を助けるビタミンB群(B2、B6、B12、葉酸)やビタミンC、ミネラルもバランスよく摂りましょう。

VOL.958 更年期のいろいろな不調③

イライラ、意欲低下、情緒不安定

セロトニンが不足や視床下部の変調

更年期で起こる気分の浮き沈みやイライラ、不眠、意欲低下などの精神神経症状には、さまざまな原因が考えられます。

まず、エストロゲンの減少による自律神経への影響です。女性ホルモンのエストロゲンは、脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の働きにも関わっています。これらの神経伝達物質は幸福感や生きる意思を司っているホルモンの一種です。そのため更年期にエストロゲンが減少してくると、憂うつな気分や意欲の低下、疲労感を感じやすくなります。さらに、寝つきが悪い、夜中に目が覚める、寝ても疲れがとれないなど、睡眠にも影響がでてきます。

更年期は子どもの自立や親の介護など、生活環境面でも大きな変化を迎える時期でもあり、外で働く女性が増えた現代では、仕事上の悩みや不安を抱える人も多いでしょう。更年期は女性のターニングポイントとなりますので、「女性としての魅力が減少してしまう」という心配も大きなストレスとなるでしょう。

これらの対処法は、まずは自分の状態を「女性ホルモンの減少による、誰にでも起こる現象」として受け止めることが大切です。周りの人たちもそのことに理解を示しましょう。そして、自分がリラックスできるものや居心地の良い環境を見つけたり、できるだけ規則正しい生活を心がけます。屋外で散歩するなど軽く体を動かし、活動と休息のメリハリをつけることで、気持ちや睡眠にも良い影響にはたらきかけます。

症状がひどい場合は、迷わず医者に相談をしましょう。

おすすめ食材と食べ方

抗酸化物質、ビタミン類、ミネラル類

セロトニンのもとになる必須アミノ酸のトリプトファンを含む食材や、トリプトファンをセロトニンに変換する際に必要な必要なビタミンB群、C、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛などを含む食材を、バランスよく摂りましょう。

VOL.951 更年期に重要な栄養素⑥〜ビタミン・ミネラル類

栄養の代謝や体内の機能調整

サプリメントではなく食事から摂る

ビタミンやミネラル類は、エネルギーのもとにはなりませんが、栄養の代謝や体内の機能調整に関わっており、生きていく上で欠かせない栄養素です。しかし、体内でつくることができないため、食事から摂る必要があります。

ビタミンやミネラルが不足すると、食事で摂った栄養素をうまく使うことができなくなります。例えば、エネルギー代謝に関わるビタミンB2が不足すると、疲れやすくなったり、脳や神経の働きが悪くなったりすることがあります。また、鉄分が不足するとスタミナ不足の原因になります。あまりサプリメントに頼らず、できるだけ食事から摂りましょう。毎日偏ることなく、色々な種類の食材から必須栄養素を摂りましょう。

抗酸化ビタミンACE

抗酸化ビタミンの中でも脂溶性のビタミンが多いのが、緑黄色野菜やウナギ、タラコなどです。油との相性がよいので加熱調理が効率的です。

ミネラルを含む食材を積極的に

亜鉛、銅、セレン、マンガンは体内の抗酸化システムに重要な栄養素です。これらが豊富な牛肉、牡蠣、魚介類や海藻、ナッツ類、蕎麦を積極的に摂りましょう。

VOL.944 更年期の女性に必要な栄養素②

栄養の問題点は健康にマイナスの影響

カロリー、ビタミン、ミネラル不足にも注視

女性ホルモンが豊富に分泌されている時期は、少々栄養バランスに問題があっても、女性ホルモンの働きで健康が保たれています。例えば、カルシウムが不足した場合でも、腸からのカルシウムの吸収を増加させるなど、女性ホルモンが調整してくれました。こうした女性ホルモンのサポートが減少する更年期では、栄養の過不足が顕著になり、健康に影響してきます。

若い頃と同じ生活をしていると、血圧が少しずつ上昇して、血中コレステロールも増えていきます。また、体重は変わらないけど、お腹まわりに男性のような内臓脂肪がつきやすくなります。唯一プラスの影響といえるのが、月経がなくなっていくことにより、鉄分不足が改善されるので、貧血の不調からは開放されるでしょう。いずれにしても更年期ではこれまで以上に、カロリー、ビタミン、ミネラル類の不足には注視する必要があります。

VOL.936 代謝調整に必要な栄養素②

ミネラル類

身体の構成成分や栄養の代謝、DNAの合成

骨や歯、赤血球、甲状腺ホルモンなどの身体の構成成分で、栄養の代謝やDNAの合成にも関わります。

歯や骨など、身体の構成成分となるほか、体内の生理機能の調整に関わっているのがミネラル類です。また、ビタミン類のように栄養素の代謝を調整する働きもあります。必須ミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、コバルトなどです。これらのミネラルは体内で作られないので、食事から摂る必要があります。

日本人はカルシウム不足、ナトリウムの摂りすぎという傾向があり、特に更年期の女性にとっては深刻な問題になります。カルシウムは必要量の70%しか摂取できておらず、塩分は40%も摂りすぎているという調査結果があります。ほかに、女性は月経があるため鉄分が補足しがちですが、更年期では閉経に近づいていくので、鉄不足の心配は解消されていきます。