VOL.502 鶏肉〜ビタミンB群とコラーゲンで美肌に

ビタミンB群のバランスが良く、コラーゲンが豊富で美肌のもとに

【主な栄養素】

タンパク質

筋肉や皮膚、髪などはすべてタンパク質からできています。
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている必要な栄養素です。主にアミノ酸によって構成されています。

アミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドに分解されて体に取り込まれたあと、必要なタンパク質へと再形成されます。

自然には多くのアミノ酸が存在していますが、体の材料となりうるアミノ酸は、このうちの20種類です。これら20種類のアミノ酸がそれぞれの目的にあわせて数十~数百個以上結合し、約10万種類のタンパク質に形を変えます。

筋肉や肌、髪が同じタンパク質からできているのに形が異なるのは、このようなアミノ酸の組み合わせによるものです。

また、20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。これを必須アミノ酸、それ以外の11種類を非必須アミノ酸と呼びます。

動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
最大の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。

動物性タンパク質は多くのものが9種類の必須アミノ酸を含んでいますが、一部の植物性タンパク質は不足しているものがあります。アミノ酸全体の働きは不足している必須アミノ酸のレベルにあわせて制限されてしまうので、タンパク質を摂っているつもりでも足りていなかった、となってしまうことがあります(アミノ酸の桶の理論)。また、体内の吸収率も動物性タンパク質97%に対して、植物性タンパク質は84%となっています。

タンパク質が不足すると
体を作る材料が減ってしまうので、筋肉量の減少や、肌や髪のトラブル、集中力・思考力が下がってしまうことがあります。またタンパク質には保温効果があるため、不足すると体が冷えやすくなる可能性もあります。

逆に過剰摂取は体に大きな負担をかけることがあります。動物性タンパク質を意識するあまり、脂質も多く摂ってしまいカロリーオーバーや肥満を招く可能性も考えられます。

他にも、腸内環境の乱れや肝臓・腎臓にかかる負担からの内臓疲労も高まる可能性があります。

体内に酸素を巡らせて血色のいい肌をつくってくれるヘモグロビンに必要なミネラルです。不足すると貧血の原因となります。特に女性は不足しがちな栄養素です。

鉄分はからだの中に約3gあるといわれています。そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。吸収された鉄分は、酸化され、アポトランスフェリンというたんぱく質と結合してトランスフェリンとなり、血液に乗って体中に運ばれます。輸送された鉄分は、ヘモグロビンとなって酸素の輸送に関与するほか、筋肉中に酸素を蓄えるミオグロビンの構成成分になります。

食品中に含まれる鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄とに分けられます。たんぱく質と結合しているヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれていて、ヘム鉄以外の無機鉄を非ヘム鉄と言い、こちらは植物性食品に多く含まれています。

鉄分は日本人が不足しやすい栄養素の一つで、不足すると鉄欠乏性貧血になります。貧血になるとからだが重い、息がきれる、顔色が悪い、疲れやすいと感じるようになります。

貧血予防のためには、鉄分だけを補えばいいというわけではありません。ヘモグロビンは鉄(ヘム)とたんぱく質(グロビン)が結合してできているので、たんぱく質も摂取する必要があります。また、赤血球の合成に必要な、ビタミンB12や葉酸も十分に摂取しましょう。

通常の食事では過剰になることはありませんが、サプリメントなどによる過剰摂取は注意しましょう。長期にわたり過剰に摂取しつづけると鉄沈着症を発症する恐れもあり、非ヘム鉄サプリメント摂取で便秘、胃部不快感などの副作用がおこることもあるようです。

コラーゲン

皮膚や骨、血管などに含まれ体の弾力をつくり出しているタンパク質のひとつで、細胞同士を結び付ける役割を担っており、骨や軟骨、皮膚、内臓の内側に存在している支持組織と呼ばれる組織に存在します。体の内側から他の組織を支え、細胞や組織を結びつけ、外との境界をつくる働きをしています。また、皮膚や腱などではコラーゲン同士が結びつくことでできる弾力に富んだ強固なコラーゲン線維が形成されています。

そのため肌ではハリや弾力をもたらす効果、関節痛を緩和する効果、骨を丈夫にする効果、血管ではしなやかさを保ち動脈硬化を防ぐ効果など様々な働きがあります。肉や魚に多く含まれる成分になります。

美肌効果
肌は、表面に近いところから表皮・真皮・皮下組織の3つの組織に分けられます。コラーゲンは真皮の部分に含まれ、真皮全体の約70%を占めています。線維状のコラーゲンが網の目のように交差し、エラスチンやヒアルロン酸とともに肌を内から支え、肌のハリと弾力を保っています。

コラーゲンは、ヒアルロン酸やエラスチンとともに真皮にある線維芽細胞によってつくり出されます。線維芽細胞は新しい組織をつくるとともに古くなったものを分解し、ゆっくりと組織の新陳代謝を行っています。

しかし、年齢とともに線維芽細胞の働きは衰え、真皮が古い組織で占められるようになると肌が老化していきます。コラーゲンを摂取することによって体内のコラーゲン合成が活発になり、肌にハリや弾力を与え、しわやたるみを防ぐ効果が期待されています。

関節痛を改善する効果
軟骨の約50%はコラーゲンで構成されており、軟骨に含まれるコラーゲンの代謝が悪くなると古いコラーゲンが残り、弾力性が失われ固くなった軟骨は少しの衝撃で潰されたり、擦り減ったりします。軟骨が擦り減ると、骨同士が直接こすれ合うため、それが痛みとなって現れます。症状がひどくなると、激痛で歩くことも困難な状態を引き起こす場合もあります。

コラーゲンを積極的に摂ることで、軟骨そのものの新陳代謝を活発にすることができるため、関節痛を緩和する効果があるといわれています。

骨を丈夫にする効果
骨を構成する成分の80%がカルシウムやリンなどのミネラル、20%がコラーゲンなどのたんぱく質です。

支えとなるコラーゲンの周りにカルシウムなどのミネラルが付着することで、丈夫な骨がつくられますが、コラーゲン線維が古くなりカルシウムやリンなどの骨の構成成分がコラーゲンに付着しにくくなると、骨がもろくなり骨粗しょう症につながることがわかっています。

動脈硬化を防ぐ効果
血管壁の強度と弾力性は、血管の主成分であるコラーゲン線維によって保たれています。

血管が傷ついた際、通常であれば自然と血管を修復する機能が働きますが、コラーゲンが不足すると修復機能がうまく働かず、血管がボロボロになってしまいます。するとそこにコレステロールなどが付着して血栓ができやすくなります。血栓が増えると次第に血管が狭くなっていき、動脈硬化の症状が現れやすくなります。

その他の効果
爪を強化する効果や白髪・抜け毛を防ぎ美しい髪へ導く効果、筋肉量を増やす効果、創傷の治癒を促進する効果、歯周病を予防する効果、血圧や血糖値を調整する効果などがあるといわれています。

【こんなお悩みの人にオススメ】

□冷え・コリ
□貧血

【選び方・保存のコツ】

鮮度がいいほど美味しいとされています。表面がプリッとしていて弾力があり、ツヤと透明感があるものがオススメです。皮の「鳥肌」がハッキリしているものも上質な鶏肉の証拠となります。

保存はしっかりラップで包み、冷蔵庫で賞味期限を目安にして食べ切りましょう。また冷凍もでき、その場合はできるだけ薄く伸ばしてラップで包みます。

鶏肉で摂れる美肌栄養素

ビタミンK・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・タンパク質・カリウム・リン・亜鉛

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