活性酸素を撃退
フレッシュな細胞を維持する
活性酸素は酸素を取り込む過程で生じてしまう物質です。免疫機能なども受け持つ一方、過剰に発生すると細胞を酸化させて、老化を招きます。例えば、シミやシワといった美容の悩み、ガンや血管の老化、生活習慣病を招く原因などです。エストロゲンには活性酸素を消去する働きもありますが、更年期には分泌が減少してしまいますので、活性酸素の害から身体を守ってくれる抗酸化物質が重要になります。
大豆、野菜、果物などの食べ物から摂取することができます。例えば、ビタミンA、C、Eなどの「抗酸化ビタミン」や緑茶、赤ワインなどのポリフェノールには高い抗酸化力が備わっています。これらの抗酸化物質は、強い紫外線などの影響から身を守るために、植物が自ら生み出した物質です。それを私たちが食べることで、酸化による身体の老化を予防できます。
イソフラボンが老化を抑える
大豆に含まれるポリフェノールの一種「イソフラボン」には抗酸化作用があるほか、女性ホルモンと似た働きがありますので、心身を健やかに調えます。
緑黄色野菜や果物も補給
抗酸化物質が豊富に含まれるのは緑黄色野菜や果物類です。抗酸化物質をしっかり摂って活性酸素の影響を体内から除去しましょう。
不足しがちなビタミンD
免疫力を高め、筋肉量を保つ
ビタミンDは、カルシウムやタンパク質といった栄養素の代謝に関わり、丈夫な骨や筋肉をつくったり、免疫機能を調整する役割を果たしたり、免疫力向上のためにも大切な栄養素です。しかし、ビタミンDは日本人には不足しがちな栄養素です。主に魚介類に豊富に含まれており、オメガ3系脂肪酸脂肪酸も多く含まれていますので、積極的に摂取しましょう。また、日光にあたることで皮膚でもビタミンDは生成されます。ウォーキングなど屋外での軽い運動を習慣にするのがおすすめです。日焼けが気になりますが、約30程度の日光浴で必要なビタミンDが合成できます。
骨や筋肉を丈夫にするには、カルシウムやタンパク質などの必要な栄養素を摂った上での運動が最も効果的です。食事と軽い運動習慣で、女性ホルモンの減少からくる体力の衰えを未然に防ぎましょう。
ウナギ、小魚、シャケなど魚全般には豊富
ウナギや小魚、ブリ、サンマなどの魚介類にはビタミンDが豊富に含まれてます。タンパク質やDHA、EPAなども豊富なので、毎日の摂政がおすすめです。
わずかながらキノコ類にも含まれる
キノコ類の中でビタミンDの含有量が多いのは、マイタケです。ただし、魚介類に比べれるとかなり少ないので、上手に組み合わせましょう。
吸収のいいカルシウム
骨粗しょう症予防、美しいスタイルと姿勢を保つ
更年期は、女性ホルモンの減少の影響で腸でのカルシウム吸収率が減少し、加えて骨からカルシウムが血中に流出します。カルシウム不足が続くと、骨がスカスカがスカスカになる骨粗しょう症を招き、放置すると脊髄が変形し、重みで背骨がつぶれてしまい、身長が低くなってしまう恐れがあります。ほかには、転倒すると骨折するリスクも高まります。更年期の女性はとくに意識してカルシウムを摂る必要があります。
カルシウムは、含まれている食材によって体内への吸収率が異なります。例えば、牛乳なら40%程度、小魚は30%程度となります。できるだけ吸収率の高い食材を選び、良質のタンパク質やミネラル類を組み合わせて摂るようにしましょう。
牛乳、チーズ、ヨーグルトで吸収率アップ
カルシウムの吸収率の高さではトップクラスの乳製品です。発酵食品であるチーズやヨーグルトならば、乳酸菌も摂れて一石二鳥です。
吸収率のよい大豆製品も
牛乳に次いで吸収率が高いのが豆腐や高野豆腐などの大豆製品になります。植物性タンパク質やイソフラボン(抗酸化成分)が豊富なので積極的に取り入れましょう。
良質な脂質
栄養素の循環と代謝を活発にする
カロリーの高い脂質はダイエットの敵として、体重が増えることを気にして控える人も多いことでしょう。ただし、脂質も三大栄養素の一つとして、体内で重要な役割を担っています。例えば、更年期に減少する女性ホルモンなど、体内で分泌されるホルモンは脂質から作られているものもあります。また、脂質は身体の基礎となっている細胞膜の材料でもあります。不足すると、細胞膜の機能が働きが悪くなり、必要な成分を細胞内に取り込みにくくなって、肌がガサガサになります。
不足しがちな良質な脂質は必須成分です。質の悪い脂質を摂りすぎると悪玉コレステロールや体脂肪が増える原因となります。良質な脂質を適度に摂り、細胞や血管を健やかに保ちましょう。
DHAとEPAの豊富な青魚
アジ、イワシ、サバなどの青魚に含まれるDHA、EPAは良質な脂質です。血液や血管を良好に保ち、脳の神経機能を高める働きもあります。
不足しがちなオメガ3系脂肪酸
EPA、EPA、α-リノレン酸などのオメガ3系の摂取を意識しましょう。
良質なタンパク質
血管壁を強くし、ハリのある肌や髪、引き締った筋肉へ
タンパク質は、体内のあらゆる細胞を構成する元になります。筋肉はもちろんのこと、肌や髪、血管などの若さを保つためにも必須の栄養成分です。顔面の筋肉は、美しい顔の表情をつくり、丈夫な骨と筋肉は、美しく若々しいスタイルも保持します。
ところが日本の女性は、カロリーを気にしすぎる傾向があり、結果としてタンパク質不足におちいりやすいようです。また、更年期には消化吸収や代謝の機能が低下します。さらに必須アミノ酸が不足すると、タンパク質が身体の材料として使われにくくなり、一層身体の機能が損なわれます。更年期では、より一層良質なタンパク質を積極的に取り入れる必要があります。
必須アミノ酸のバランスのよい肉、魚介、大豆
肉や魚介、卵、乳製品などの動物性タンパク質、大豆や大豆製品は体内で作ることができない必須アミノ酸のバランスが良いので積極的に摂りましょう。
大豆製品は動物性タンパク質と一緒に摂る
また、植物性タンパク質である大豆や大豆製品は、アミノ酸のバランスに優れています。動物性のものとバランスよく組み合わせるのがよいでしょう。
食事・運動の改善ポイント
体重が増えた(減った)
体重は体脂肪量を知る目安になりますが、体重が減ってきた時は、筋肉量も減っている可能性があります。年齢の影響により筋肉量は減っていき、高齢期のフレイルを招くことになります。タンパク質摂取、運動が重要になります。
※フレイルとは、筋肉量や心身の活動が低下し、介護が必要になりやすい状態のことをいいます。
ウエストまわりの脂肪が増えた
お腹の脂肪はメタボリックシンドロームの一番の危険要因です。女性では、ウエスト周りが90cmを超えると、内臓脂肪の面積が100cm2以上に達すると推測され、糖質や脂質の代謝に悪影響があります。適度な運動と減量で内臓脂肪を減らしましょう。
血圧が上がった
更年期では、自律神経が乱れやすくなり、血管の柔軟性も減少し血圧が徐々に高くなる傾向にあります。これまで以上に減塩を心がけて、増えた体重を減らし、適度な運動をすることで、血圧も低下しやすくなります。
脂質異常症が出現
更年期では、女性ホルモンの減少によってコレステロール値や中性脂肪値が高くなりがちです。HDLコレステロールが低い場合は、炭水化物を減らしましょう。LDLコレステロールが高い場合は、脂質摂取量を減らす必要があります。
血糖値が上昇
女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、血糖値を低下させるインスリンの働きが弱くなり、血糖値が上昇しやすくなります。食物繊維の量を増やして、炭水化物や糖質(甘いもの)の摂取は控えましょう。加えてウォーキングなど適度な運動量を増やして、インスリンの効果を高めましょう。
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