VOL.714 花椒 〜用語辞典

花椒(ホワジャオ)は、山椒の仲間で、さわやかな香りとしびれるような辛味が特徴の、中国原産のスパイスです。日本では「かしょう」と呼びます。

花椒は、ミカン科サンショウ属の植物で、主な原産地は四川省、河北省、河南省などです。直径3mmほどの赤い実を乾燥させ、その果皮を使用します。熟した花椒の赤い果皮が弾けて割れている様子が、まるで花が咲いているようだということから、「花椒」と呼ばれるようになりました。料理のスパイスとしての食用のほか、薬用としても使用されます。花椒をひいて粉にしたものを「花椒粉(ホワジャオフェン)」と呼びます。

山椒にはいくつかの種類があり、食用に利用されるものは「山椒」と「花椒」がありますが、花椒は柑橘系のさわやかな香りと舌がしびれるような刺激的な辛みがあります。同じ用途に使えますが、一般的に山椒は日本料理に、花椒は中華料理に用いられ、四川料理には欠かせないスパイスで、代表的なのは麻婆豆腐です。

VOL.713 干豆腐 〜用語辞典

干豆腐(かんとうふ)は、中国や台湾でよく食べられている豆腐の一種です。日本ではあまり馴染みがありませんが、中華料理ではとてもポピュラーな食材です。

硬めの豆腐をさらに圧縮、脱水、乾燥させて作られたもので、非常にかたく、一般的には角切りのお餅のような形状をしています。中華街などでは細切りのものが売られていて、これは「豆腐干絲(とうふかんす)」と呼ばれ、麺としても使用することも可能な食材です。

熱湯にさらして戻し、炒め物やサラダなどに使います。一般的には、野菜や枝豆などと一緒に炒めたり、冷菜にして食べたりします。また、中国式のベジタリアンである「素食」では、お肉の代わりに使われたりもしているのだそう。

VOL.712 干しずいき 〜用語辞典

干し芋茎(ずいき)は、里いもや八つ頭、ハスイモなどの葉柄を芋がらと呼び、これらの皮をむいて乾燥させたものをいいます。

赤ずいきと白ずいきがあり、赤ずいきにはアントシアニンが豊富に含まれており疲れ目防止などの効能があると言われています。ミネラルが豊富で生のものはアク抜きをして和え物や酢物などにします。皮を剥いて干したものは水で戻してから、煮物などにして食べられています。

VOL.711 ホースラディッシュ 〜用語辞典

ホースラディッシュは、もともとフィンランドをはじめとするヨーロッパ原産の植物です。

別名わさび大根、西洋ワサビとも呼ばれ、細身の大根ほどの大きさの、木の根のような外見です。皮をむくと、中は白くてかたく、日本のワサビや大根に似た香りと、鼻にツーンと抜ける刺激的な辛さがあります。

日本では明治時代に伝わったとされており、かつては長野や埼玉、北海道で栽培されていましたが、現在では大半が北海道産となっています。

ホースラディッシュは、そのままだと辛みはあまり感じません。普段みかける、緑色のわさびとは違い、白色が特徴です。味はそのまま食べるとそこまで辛くありませんが、日本のわさびと比べて酸味があり、すりおろすと強い辛みがでます。その辛さは本わさびの約1.5倍以上!鼻にかけて辛みが抜けるときにその酸味の強さが伝わってきます。

サンドイッチのマヨネーズソース、ローストビーフなどの肉料理や、魚料理の薬味として添えられることが多いです。また、サンドイッチのマヨネーズソース、ドレッシングの香味づけにも使われ、パウダーは日本のわさびの代用品として、粉ワサビや練りわさびなどに使われます。

VOL.710 ピータン 〜用語辞典

ピータンは、アヒルの卵を発酵させて作る中国発祥の食べ物です。

卵を木炭や灰、塩などと一緒に粘土で包んで1ヶ月以上貯蔵、発酵させることで、白身の部分が真っ黒(厳密には茶色)のゼリー状、中の黄身がグレーに色づいた特徴的な見た目に仕上がります。今は、ピータンはアヒルの卵だけでなく、鶏卵やうずらの卵などで作られることもあります。

白身の表面にアミノ酸の結晶によって、松葉や菊の花のような紋様がつくことがあります。松葉の紋様から「松花皮蛋(しょうかピータン)」、菊の花紋様は「菊花皮蛋」と呼ばれることも。これらの紋様がついたピータンは、ときに高級品として扱われることがあるそうです。英語では100年たった古い卵という意味で、センチュリーエッグ(century egg)と呼ばれます。

アンモニアのような刺激臭や独特の風味もありますが、ピータンならではのコクとうま味は、調味料の代わりとしてお粥に入れたり、冷奴にのせて食べたりします。また、サラダと刻んだピータンをドレッシングで和えて食べるのも良いでしょう。

VOL.709 パンチェッタ 〜用語辞典

パンチェッタは、豚バラ肉の塩漬けを乾燥させ、熟成させたものです。

もともと「Pancetta」は、イタリア語で豚バラ肉を意味します。また、製造過程で加熱処理をしないことから、生ベーコンと呼ばれています。

豚バラ肉の塊に荒塩をすり込み、1ヶ月以上熟成と乾燥をさせて仕上げますが、くん煙する場合もあり、「Pancetta affumicata(パンチェッタ・アッフミカータ)」と呼びます。

よくパンチェッタと混同されるのが生ハムですが、使われる肉の部位が異なります。また、ベーコンとの最大の違いは「燻す」という工程の有無にあります。ベーコンが燻製の旨味を味わう食べ物であるならば、パンチェッタは熟成の旨味を味わう食べ物であると言えます。

生ハムと同様に、そのまま生で食べることも可能ですが、一番身近なところではカルボナーラに使うことで知られています。

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