Vol.76 ピーリングでメラニン排出

美白ケアにピーリングをプラスすると、より効果が高まります。通常の美白化粧品がメラニン色素をつくるプロセスに働きかけるのに対して、ピーリングはできたしまったメラニン色素がスムーズに排出されるような手助けをするからです。

ターンオーバーを早める効果
通常できたしまったメラニン色素はターンオーバーのサイクルで排出されます。前にお話ししたように、ターンオーバーは加齢とともに遅くなり、メラニンの排出が難しくなります。そこで、ピーリングの効果でターンオーバーを早めて、メラニン色素を排出しやすくします。

ほかにも、ピーリングをすると余分な角質も取れますので、美白成分の浸透性が高くなる効果も期待できます。ボディーにできたシミは取れにくいので、ピーリングがオススメです。

つづく…

Vol.75 パウダーメイクでシミ予防

紫外線防止効果
日焼け止め化粧品を塗ったあとに、パウダーファンデーションを重ねると紫外線対策に効果的です。もともとパウダーファンデーションは紫外線防止効果があります。パウダーファンデーションの粉体は紫外線散乱剤と似たようなものなので、紫外線をはねかえすからです。

日焼け止め化粧品だけに頼って、ファンデーションを塗らずにいると、どうしてもシミができやすいようです。これは日焼け止め化粧品を塗る量が少ないことも勘消ししますが、塗りムラができていてもわかりにくく、化粧くずれしても気づかないことも関係します。

しっかりシミを防ぐためにも、パウダーファンデーションを重ねることが、賢い紫外線防止対策になります。

Vol.30 UVケア3を参照してください。

つづく…

Vol.74 美白化粧品は年中無休

美白ケアの真価は予防にあり
夏になったから美白化粧水を使うとか、日焼けしたから美白化粧品を使う、これではシミのお手入れとしては不十分になります。毎日多少なりとも紫外線を浴びていますので、肌内部のメラニンは季節を問わず活動しています。日々の美白ケアをしていないと、メラニンの活動を抑えていないことになります。

できたしまったシミをなんとかするのは、時間も手間もかかります。美白ケアの基本は、シミを作らないように「予防」に専念することにあります。

毎日使い続けること
美白化粧品には、化粧水や美容液、乳液、クリーム、マスクなど、さまざまなアイテムがあり、迷ってしまうことも多いかと思います。ここで一番大切なポイントは、「美白ケアを毎日行うこと」なので、さらっとした美容液などを選ぶのがおすすめです。

また、美白マスク(パック)を愛用される方も多いかと思いますが、ときどきしか使わないと効果が期待できませんので、美容液などを毎日使いつつ、定期的に併用することにしましょう。

美白化粧品は一年中使い続けるものなので、無理のない価格の商品で、使用感の良いものを選びましょう。

つづく…

Vol.73 美白化粧品を選ぶ

美白化粧品の種類は、前回お話ししたように医薬部外品指定の成分が含まれているものと、そうでないものがあります。必ずしも医薬部外品のほうが効くというわけではありませんが、自分で選ぶ自信がないという人は、医薬部外品から選んでみてはいかがでしょうか。

肌との相性と効果
前回紹介したもの以外にも、たくさんの美白成分があり、それらを配合した美白化粧品も数多くあります。その中から自分の肌に合って、効果のあるものを選ぶ方法は、残念ながらご自身の肌で試すほかありません。なぜなら、人によって成分との相性や、効果の効きかたが違うからです。

また肌に合う、合わないが、人によって違ってくることもあります。そのために、自分の肌で試して確認していくしか、方法がないと言うことです。ちなみに美容皮膚科では、ビタミンC誘導体やカモミラETなどの、抗炎症効果があるも成分をよく使います。これは、かぶれにくいことと、アンチエイジングの効果が期待できるからです。

※医薬部外品とは
簡単に言うと、医薬品と化粧品の中間に位置するもの。厚生労働大臣が効能・効果を認可した有効成分が一定濃度で配合されていて、その成分の名前や効能・効果を表示することができます。

つづく…

Vol.72 美白成分の種類

厚生労働省が認めているもの(医薬部外品)

ビタミンC誘導体
リン酸型ビタミンCなど、ビタミンCを肌に吸収させやすい形にしたものです。抗酸化作用もあり、アンチエイジングやニキビの炎症を抑えるのにも役立ちます。

アルブチン
もともとは苔桃(コケモモ)から抽出された成分です。濃度が高いと肌の刺激になることがあります。

コウジ酸
ミソやしょうゆなどの麹菌由来の成分です。

エラグ酸
いちご由来の成分です。

ルシノール
北欧の、もみの木に含まれる成分をヒントにつくられた成分です。ルシノールは商標名で、化学名は4-n-ブチルレゾルシノールと言います。

リノール酸
サフラワー油などの植物油から抽出させる成分です。

カモミラET
ハーブでおなじみのカモミールに含まれる成分です。抗炎症作用をあわせもっています。

トラネキサム酸
もともとは抗炎症剤として使われていたトラネキサム酸を、美白成分として開発したものです。

4MSK
4-メトキシサリチル酸カリウムは、慢性的なターンオーバーの不調に着目して研究開発された成分です。

マグノリグナン
植物成分に含まれる天然合成物をモデルにしてつくられた成分です。

プラセンタ
豚の胎盤から抽出された成分です。

それ以外のものとして、
油溶性甘草エキス(グラブリジン)
甘草という漢方薬から抽出した成分です。消炎作用もあるので、かぶれにくく、肌の弱いひとでも使いやすい成分です。

つづく…

Vol.71 美白成分を含むものを

美白化粧品とは、美白成分がきちんと配合されているものをさします。パッケージの色や商品名の雰囲気だけで選んでしまうと、美肌成分が入っていないことがありますので、よく確認してから購入してください。

紫外線によるシミ
紫外線にあたると、肌の中で「メラニンをつくれ」という指令が出ます。そしてメラニン色素がつくられ始めるのですが、このメラニン色素を製造するプロセスを、どこかで抑える働きをするのが美白成分になります。ただし、同じ美白成分といっても、成分ごとに働きかけるタイミングが異なります。

美白というと、肌全体を真っ白にしてくれるものと思いがちですが、それは誤解です。メラニンの生成を抑えるのが美白成分の働きですから、ニキビ跡の赤みやメラニン色素によらない色は、薄くすることはできません。

シミができる流れと美白成分のはたらき

①メラニンをつくる指令が出る
紫外線が表皮細胞にあたると、肌の内部を守ろうとして「エンドセリン」などの情報伝達物質が分泌されます。これらの物質がシミのもととなるメラニンをつくれと指示を出します。

指令物質を抑制する成分
エンドセリンなどの情報伝達物質の働きの邪魔をします。
・カモミラET
・トラネキサム酸
・t-AMCHA(tシクロアミノ酸誘導体)
など

②メラニンをつくり始める
エンドセリンなどの情報伝達物質がメラノサイトに届くと、メラノサイトの中でメラニン色素をつくり始めます。はじめにつくられるものが「チロシン」というアミノ酸です。次に、メラノサイトにのみ存在する「チロシナーゼ」という酸化酵素が働いて、すぐにメラニン色素に変化します。

チロシナーゼの働きを抑える
美白化粧品のほとんどがこれに該当します。
・アルブチン
・コウジ酸
・エラグ酸
・ルシノール
・ビタミンC誘導体
・プラセンタエキス
・トラネキサム酸
・油溶性甘草エキス(グラブリジン)
など

チロシナーゼを減らす
メラニン色素に変化してしまう、チロシナーゼ自体を減らすような働きをします。
・リノール酸など

③表皮細胞へ送られる
メラノサイトでつくられたメラニン色素は、表皮細胞へと徐々に受け渡されていき、ターンオーバーとともに角層へと上がっていきます。

ターンオーバーで排せつ
通常メラニンはターンオーバーとともに排せつされていきます。しかし、何らかの影響でメラノサイトの過剰な活動がおさまらずに、メラニン色素がつくられ続けてしまうと、シミとなってしまします。ほかにも、ターンオーバーが遅くなってメラニン色素が残ってしまう場合もあります。

つづく…