赤身ならタンパク質が多く、ビタミン、ミネラルも補給可能
【主な栄養素】
ビタミンB2
ビタミンB2は水溶性のビタミンで、糖質、脂質、タンパク質の代謝、エネルギー生産に関わる酸化還元酵素の補酵素として働きます。特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。
ビタミンB1が糖質の代謝に関わるのに対して、ビタミンB2は特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。「発育のビタミン」ともいわれ発育促進と美容に欠かせない栄養素です。
ビタミンB2が不足すると
成長促進、皮膚や粘膜の保護といった働きがある栄養素なので、不足すると脂漏性皮膚炎、口内炎、舌炎、口角症、子どもの成長障害などを引き起こすことがあります。
ビタミンB2を過剰摂取すると
過剰摂取した場合は尿中に排泄されるため、過剰症の心配はありません。
現代人には不足がちな栄養素なので、食べ物から積極的に摂取しましょう。
タンパク質
筋肉や皮膚、髪などはすべてタンパク質からできています。
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなくエネルギー源にもなっている必要な栄養素です。主にアミノ酸によって構成されています。
アミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドに分解されて体に取り込まれたあと、必要なタンパク質へと再形成されます。
自然には多くのアミノ酸が存在していますが、体の材料となりうるアミノ酸は、このうちの20種類です。これら20種類のアミノ酸がそれぞれの目的にあわせて数十~数百個以上結合し、約10万種類のタンパク質に形を変えます。
筋肉や肌、髪が同じタンパク質からできているのに形が異なるのは、このようなアミノ酸の組み合わせによるものです。
また、20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。これを必須アミノ酸、それ以外の11種類を非必須アミノ酸と呼びます。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
最大の違いは必須アミノ酸のバランスにあります。
動物性タンパク質は多くのものが9種類の必須アミノ酸を含んでいますが、一部の植物性タンパク質は不足しているものがあります。アミノ酸全体の働きは不足している必須アミノ酸のレベルにあわせて制限されてしまうので、タンパク質を摂っているつもりでも足りていなかった、となってしまうことがあります(アミノ酸の桶の理論)。また、体内の吸収率も動物性タンパク質97%に対して、植物性タンパク質は84%となっています。
タンパク質が不足すると
体を作る材料が減ってしまうので、筋肉量の減少や、肌や髪のトラブル、集中力・思考力が下がってしまうことがあります。またタンパク質には保温効果があるため、不足すると体が冷えやすくなる可能性もあります。
逆に過剰摂取は体に大きな負担をかけることがあります。動物性タンパク質を意識するあまり、脂質も多く摂ってしまいカロリーオーバーや肥満を招く可能性も考えられます。
他にも、腸内環境の乱れや肝臓・腎臓にかかる負担からの内臓疲労も高まる可能性があります。
亜鉛
体内で新しい細胞をつくるときに、タンパク質を合成するのに必要なミネラルです。不足すると味覚障害や免疫力の低下、肌荒れなどを招く原因になります。
亜鉛は体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、体内に約2〜4g存在し、歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれます。
200種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用し、身体の成長と維持に必要な栄養素です。
また、味覚に関わる細胞をつくる働きもあるので、食べ物をおいしいと感じるのに欠かせません。
亜鉛が不足すると
亜鉛が不足すると、貧血、味覚障害、皮膚炎、免疫機能低下によって感染症にかかりやすくなるなど様々なリスクが高まります。子どもの場合は成長障害、男性の場合は性機能低下が起きることもあります。
近年、過度なダイエットによる亜鉛不足が原因とみられる味覚障害が若い女性を中心に発生しており、ダイエットをしている方は注意が必要です。
また、亜鉛は汗の中に多く含まれるため、スポーツをしているなど、発汗量が多い人は不足しないよう心掛けましょう。
亜鉛を過剰摂取すると
通常の食生活であれば過剰摂取の心配はありませんが、サプリメント等で過剰摂取すると急性亜鉛中毒になる可能性があります。
急性亜鉛中毒になると胃障害、めまい、吐き気などの症状がみられます。
【こんなお悩みの人にオススメ】
□肌トラブル
□生理不順
□貧血
【選び方・保存のコツ】
当然、赤身の方が脂肪が少なくてヘルシー。赤い部分は色が深いと熟成していて、やや黒みがかった赤色が美味しいとされています。脂身はクリーム色がかっているほうがよいでしょう。
また、牛肉は冷凍も可能です。薄切りならできるだけ重ならないように薄く広げましょう。解凍するときは冷蔵庫に移して徐々に行うのがポイントです。
牛肉で摂れる美肌栄養素
ビタミンK・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・タンパク質・カリウム・リン・鉄・亜鉛