「AGEING CARE」カテゴリーアーカイブ

Vol.141 最近気になる糖化とは

体内のコラーゲンが変性してもろくなる

最近よく糖化という言葉を聞きますが、これはコラーゲンなどの体内タンパク質が、糖と結合して変性する反応のことを糖化といいます。それが老化とつながっています。

ケーキなどを焼くと茶色くなるのも、卵などのタンパク質が糖と反応して起こる一種の糖化だということがわかっています。

糖化したタンパク質は硬くなり弾力を失いますが、やわらかい生肉を焼肉にすると硬くなる現象に似ています。それが体内で起こるとコラーゲンが硬くなり、シワができるということになります。

糖化はタンパク質と糖が結びつくという単純な反応ではなく、糖をとるから糖化が起こるというものでもありません。コラーゲンの架橋形成(コラーゲン同士が橋渡しをするように結合している)を含む複雑な反応で、その意義については不明の部分も多いのです。

糖は人間の生存に不可欠なもので、甘いものを食べなくても体内に常に存在します。糖をとりすぎると糖化や老化が促進されることがわかっていますが、糖を減らせば老化が抑えられるというものではありません。老化の原因は紫外線や活性酸素などさまざまあり、糖化はその一部でしかないからです。

甘いものを過剰に食べている人や多量の飲酒、ドカ食いをしている人は肌の老化を促進しているかもしれないので改善が必要ですが、現在バランスの良い食事をしている人は、とくに糖化を気にする必要はありません。

Vol.140 若々しい肌を守るふたつのキー 2

みずみずしい肌のカギをにぎるのが、女性ホルモン(エストロゲン)と成長ホルモンです。

肌の新陳代謝はゆっくり行われる
成長ホルモンは脳下垂体から分泌させる、文字どおり人間の成長にかかわるホルモンです。コラーゲンの産生など、肌の新陳代謝にも重要な役割を果たしています。

成長ホルモンは10代まではさかんに分泌されるため、体はどんどん成長し、肌の新陳代謝は活発です。身長ののびは17〜18歳くらいで止まりますが、肌は30代くらいまでゆっくりした速度で新陳代謝が行われ、コラーゲンも新しく生まれ変わっています。

こちらも40代をすぎた頃から分泌量が大きく減少します。そして新陳代謝が衰えるために、肌老化も進行します。

どちらのホルモンも脳が分泌をコントロールしていますので、適度な運動と充分な睡眠をとりましょう。

Vol.139 若々しい肌を守るふたつのキー

みずみずしい肌のカギをにぎるのが、女性ホルモン(エストロゲン)と成長ホルモンです。

女性の若さや美しさを維持するホルモン
卵巣から分泌されるエストロゲンは、肌の弾力を保つコラーゲンを増やし、肌の水分を保持する作用があります。このホルモンは女性の若さや美しさを維持するために必要不可欠になります。

エストロゲンは妊娠、出産のためのホルモンなので、20代のころに最も多く分泌されます。しかし30代後半から徐々に減りはじめて、40代になると急激に減少します。そのために40代後半になるとコラーゲンも減少し、肌老化が加速するのです。

また、無理なダイエットや不規則な生活などが続くと、エストロゲンは減少し、肌老化が早まってしまうこともあります。薬などでエストロゲンを増やすことは、発ガンなどのリスクを伴い、容易にはできません。エストロゲンを減らさないためには、規則正しい睡眠やバランスのとれた食事などを心がけましょう。

つづく…

Vol.138 肌に老化をもたらす血行不良 2

加齢で血行が悪くなると肌の衰えが促進
老化とともに血管が硬くもろくなり、血行が悪くなります。血管の壁はコラーゲンなどのタンパク質でできたいるため、肌同様に若い時にはしなやかで弾力があります。

加齢によって筋力の衰えや動脈硬化によって血液の循環が悪くなり、肌に酸素や栄養が行き届きにくくなります。そのためターンオーバーが阻害されたり、コラーゲンがつくられる量もへり、結果として肌老化が加速されます。

血行不良を起こす原因として加齢のほかに運動不足、喫煙、不規則な生活、冷え(体を冷やすことや冷たいものの飲食)などがあります。これらに気をつけて血行を維持することが、肌にも体にも大切になります。

Vol.137 肌に老化をもたらす血行不良

美容だけでなく健康も脅かす

皮膚に酸素と栄養が届きにくくなる
肌をすこやかに育むには、酸素や栄養素が必要です。それらを肌の細胞に届けているのが、肌の内側に網目のようにはりめぐらされている血管です。

心臓から送り出された血液を運ぶ血管は、末端に行くにつれてしだいに細くなり、最終的には毛細血管になります。その細さは直径0.01mmで、髪の毛の1/5ほどしかありません。しかし、この毛細血管が重要な役割を果たしています。

その役割のひとつは、肌の細胞のすみずみまで酸素と栄養を送ることです。もう一つが、不要になった二酸化炭素と老廃物を回収することです。この代謝がスムーズに行われることで、健康な肌が維持されています。

ところが、加齢とともに血行は悪くなり、肌の細胞に酸素や栄養が行き届きにくくなり、老廃物もたまっていきます。その結果肌の老化が進み、くすみや乾燥が起こりやすくなってしまします。

つづく…

Vol.136 肌に老化をもたらす炎症

勘違いのスキンケアがもたらす隠れた原因

スキンケアの物理的刺激で肌が炎症を起こす
診察室を訪れる患者さんの中には、誤ったスキンケアのせいで、肌を傷めている人が多いようです。

とくに多いのが、肌の擦りすぎによる、モヤモヤしたシミです。頬骨の高い部分を強くこするクセのある人に、できやすいものです。

たたく
コットンでパタパタたたくクセのある人は、赤ら顔になりやすく、毛細血管が赤く浮き出てくることもあります。

こする
拭き取りタイプのクレンジングを使用している人は、コットンやティッシュの摩擦による刺激で、肌が乾燥したり湿疹ができたりします。

引っぱる
最近のマッサージブームに乗り、強いマッサージでかえってシミやシワを増やしてしまう人もいます。

肌に合わない化粧品
肌に合わない化粧品を気づかずに使い続けて、シミをつくってしまった人もいます。

慢性的な炎症が老化を促進させる
こうした「こする」「たたく」「引っぱる」などの物理的な刺激や、「肌に合わない化粧品」などで受けたダメージは、すべて肌に炎症を起こします。

日常的にこのような間違ったケアを行っている人は、肌に慢性的な炎症を起こしていることになります。炎症によって活性酸素が発生し、それがつねに肌を傷つけるので、老化を早めてしまいます。この慢性炎症は、肌老化の大きな原因の一つとして注目されています。

間違ったお手入れで肌の炎症を起こさないように、日々のお手入れを見直して、慢性炎症による老化から肌を守りましょう。