毛髪内部での結合を切断し再結合させてウェーブを作る
毛髪内部には3つの結合があり、髪を支えています。簡単にいうとパーマはこれらの結合を切断し、ゆるんだ髪に形をつけ、その状態のまま再結合させ形を固定させています。パーマ剤に1剤と2剤があるのは、1剤で切断し、2剤で再結合に作用させるためです。
カラーリング同様、パーマ剤も髪質やダメージの状態によってかかり方が違ってきます。健康な髪ほどかかりにくく、人によって放置時間に差が出るのはそのためです。
髪の状態
内部構造では横になっている3つの結合ががっちり手をつなぎ、キューティクルも閉じています。
1剤で結合を切断
アルカリ剤、還元剤が、膨張して開いたキューティクルのすき間から毛髪内部に侵入し、3つの結合を次々に切断していきます。
乾かすプロセスで再結合
2剤、中間水洗、ドライヤーで乾かすプロセスで、3つの結合を順次再結合させ、ウェーブを固定させます。
残留アルカリを取り除く
毛髪は弱酸性で安定し、健康な状態を保てます。カラーリングでアルカリに傾いた髪をそのまま放置するのは、ダメージを進行させるのと同じこと。pH値を下げるケアをしなければいけません。カラーリング直後から1〜2週間は、残留アルカリ除去作用のある専用アイテムを使うことをオススメします。ダメージが軽減し、色もちもよくなります。
また、カラーリングによってメラニン量が減少した髪は、紫外線ダメージを受けやすいともいわれています。こちらも専用アイテムを使って、髪のUVケアも意識しましょう。
褪色を防ぐには保湿と乾かすこと
褪色の原因の一つは、ダメージでキューティクルが開き、色素を含むコルテックスが流出することにあります。そして、毛髪内部がスカスカでは色素をうまくキャッチできません。ダメージを補修しないかぎり、この悪循環が続き、褪色が進んでいきます。
カラーリング後の髪は、乾燥してダメージを受けやすい状態になっています。まずはトリートメントでたっぷり保湿をしましょう。アウトバスアイテムで髪をコーティングするのも、流出を防ぐ一つの手でしょう。シャンプー後はきちんと乾かし、キューティクルを閉じて寝ることも大切です。
色相、明度、彩度の3要素
色相(赤や青といった色の種類)、明度(明るさ)、彩度(濃淡)を変えることで、カラーリングの色バリエーションが生まれます。同じ色でも違って見えます。
暖色系は寒色系より色落ちが早い
色には個性があるので、カラーリングした色によって、髪や顔の雰囲気も違って見えます。また、色素の違いから、寒色系より暖色系のほうが色落ちしやすいのも個性の一つです。
赤
ツヤっぽく発色して肌色が白く見えます。
黒
顔の輪郭が引き締まり、強くシャープな印象になります。
オレンジ
元気なイメージ、黄みの強い肌には難しい色です。
黄
やわらかい印象になりますが、膨張色でもあります。
アッシュ
髪の黄みや赤みをおさえて発色に透明感が出ます。
緑
髪がマットっぽく見え、クールな雰囲気になります。
アッシュ系は灰色ではなくパープル
アッシュ=灰色の意味ですが、カラー剤のアッシュ系は通常パープルがかった発色をします。髪を完全にブリーチ(脱色)して染めるとグレーになることから、こう呼ばれています。
アルカリカラー(酸化染毛剤)
色バリエーション豊富な「おしゃれ染め」
一般的に「おしゃれ染め」と呼ばれ、サロンのカラーリングや市販のカラー剤もこのタイプです。染毛と脱色を同時におこない、髪を染めます。色幅が広く、色もちは2〜3ヶ月程度。まれにかぶれる人もいますので、パッチテストが必要です。
白髪染め
仕組みはおしゃれ染めと同じ
アルカリカラーの一種です。白髪を染めるのに脱色(ブリーチ)はあまり必要ないので、毛髪への負担が少ない低アルカリタイプが多いのも特徴です。比較的色のバリエーションは乏しく、サロンではおしゃれ染めとまぜて使うところが多くなっています。
ヘアマニュキア(酸性染色剤)
色もちは悪いが刺激が少ない
毛髪の表面付近に付着して、染色します。物理的刺激に弱く、シャンプーなどで色素がはがれ、褪色も早いです。色もちは2〜3週間程度。毛髪内部にはほとんど浸透しないので、ダメージは少なくパッチテストも不要です。パーマ後すぐの施術も可能です。
オーガニックカラー
髪にも環境にもやさしい
ジアミンという染色成分は入っていますが、それ以外はナチュラルな成分を配合している場合が多いです。色幅や色もちに難があると言われてましたが、改善されつつあります。ヘナには100%ナチュラルなものもあるようです。
市販のカラー剤は強め、ダメージが心配ならプロへ
髪を脱色&染色するカラーリングは、その仕組みからどうしてもダメージを避けられません。ダメージを軽減したいのであれば、サロンでの施術をオススメします。なぜなら、自宅でできるタイプのカラー剤は、誰でも簡単に染まりやすいようアルカリを強めに設定してあり、髪への負担が大きいからです。
サロンでは髪質やキューティクルの状態などを見定めてカラー剤を選び、薬剤の強さをコントロールしています。また、部位によってカラー剤の種類や処置時間を変えることもあります。生えたばかりの根元の毛と中間の毛、毛先ではそれぞれコンディションが異なり、均一に塗っただけでは色ムラなく仕上げるのは難しいからです。自分の手でそこまでのことをするのは難しいからです。
仕上がりの美しさやダメージのことを考えると、サロンでプロの手にゆだねるのが髪にとってはベストの選択と言えます。
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