髪を細く、もろくするアルカリの脅威
ヘアカラーやパーマといった化学処理をすると、アルカリ剤の影響でキューティクルが溶け、髪の毛が一回で約0.03mmほど細くなると言われています。施術後の髪はデリケートなので、いつも以上にやさしいケアをしましょう。
どんな髪型・髪質の人でも、何よりイヤなのが髪の痛みです。よく健康な髪にするためのトリートメントなどに、キューティクルを整えると書いてありますが、そもそもなぜキューティクルが大事なのでしょうか。
まず、毛髪のもっとも表面にあたるため、ツヤや手触りのなめらかさに直結するからです。そしてもう一つは、外敵から毛髪を守る役割を果たしているからです。キューティクルが乱れてしまうと、その内側にあるコルテックスがあらわになり、マトリックスというタンパク質が流出して水分保持力が落ち、髪はパサつき、ダメージヘアへまっしぐら。逆にキューティクルが整っていれば、外からのさまざまな刺激にも抵抗してくれるので、強い髪でいられるのです。
キューティクルは、暑く密なのが理想の状態です。その重なりは通常4〜6枚ですが、なかには8枚ある人もいて、反射率が高い分、髪がツヤツヤに見えます。残念ながら日本人の髪はキューティクルの厚みも密度も低く、ダメージを受けやすい傾向があります。まずは4つの敵を避け、キューティクルを守りましょう。
枝毛をイメージするとわかりやすいのですが、髪の毛は縦に裂ける性質があります。それを防ぐように、髪の内部には鎖のような結合が、いくつも横につながっています。
その一つが水素結合です。たとえば寝ぐせは水で濡らしてからブローすると真っすぐになります。これは水素結合を水でゆるめ、ゆるんでいる間に新しい形をつくり、乾かして再結合させているからです。このように髪はさまざまな結合で支えられています。
水で簡単に切断され、乾燥すると再び結びつく、比較的弱い結合です。湿気の多い日にスタイルが決まらないのは、結合が切れて形が自由になります。
シスチンというイオンを含むタンパク質同士が結合します。パーマなどの還元剤で切れますが、酸化するとともに戻ります。
陽(+)イオンと陰(−)イオンによる結合です。弱酸性であるpH4.5〜5.5の範囲を外れて酸性やアルカリに傾くと結合が弱まったり、切断されたりします。
毛髪の80%は、複数のアミノ酸からなるタンパク質でできています。
皮膚の主成分は、コラーゲンタンパク質で、毛髪の主成分はケラチンタンパク質と種類が異なります。
髪の毛は1日に0.4mmづつ伸びます。頭髪全体で34m分のケラチンタンパク質が毎日生産されています。すこやかな髪を育てるにはアミノ酸やタンパク質を、ヘアケア製品からも積極的に摂取することが大事です。
他のタンパク質にはあまり存在しない、シスチンというアミノ酸を多く含んでいるのが特徴です。化学薬品に比較的強く、弾力性にも優れています。
乾いているように見える髪も、じつは内部に水分があります。髪がダメージを受けると水分保持力は弱まるが、NMFという天然保湿因子が水分を一定に保っています。
コルテックス内のケラチンタンパク質と混じりあい、髪の色を決定づける要素です。主にキューティクルの近くに分布しています。サイズが大きく、量が多いほど、髪色は黒くなります。
脂質や微量元素など