VOL.669 紹興酒 〜用語辞典

紹興酒(ショウコウシュ)とは、もち米、麦麹、カラメル色素などで作る中国の代表的な醸造酒です。中国の浙江省紹興で4000年以上も前から造られ、淡い黄褐色をしており、独特の風味があります。

また、中国浙江省紹興市で作られたものだけが「紹興酒」と名乗ることができます。そのための条件は、生産地域が紹興市であること、名水である鑑湖(かんこ)の水を使用していなければならないこと、もち米や麦といった素材には、ある一定の等級以上のものを使用していなくてはいけないことなど、厳しい国家基準をクリアしなければなりません。

紹興酒はそのまま飲むか、料理用として味つけや風味づけ、肉や魚の臭み消しややわらかくするなどの下味にも使われます。

同様の製法で紹興以外の土地で造られたものを老酒(ラオチュウ)といいます。

VOL.668 ケーパー 〜用語辞典

ケーパーは地中海沿岸に自生するフウチョウボク科の低木のことです。レシピで登場するケーパーは、開花する前のつぼみを酢漬けにしたものを指します。なお、ケーパーのほかにケイパーやケッパーと呼ばれることもあります。

ケーパーのつぼみには、ほのかに甘さがあります。そして、酢漬けにしたケーパーは、酸味と独特な風味が特徴です。日本で店頭に並んでいるのはほとんどが酢漬けのケッパーですが、海外では塩漬けにしたタイプもあります。塩漬けにしたケッパーは酸味よりも塩味のほうが強いため、味が少し異なります。

オリーブを少しさわやかにした風味で、実の中に入っている小さな種のプチプチの食感が楽しめます。

料理にどのようなアクセントを加えたいかによって酸味のある酢漬けか、塩味の強い塩漬けかを選ぶといいでしょう。

また、開花したあとの実はケーパーベリーと呼ばれます。
ケーパーがつぼみを酢漬けにしているのに対し、ケーパーベリーは花が咲き終わった後にできる実を塩と酢で漬けた食材です。

VOL.667 桂花陳酒 〜用語辞典

一般的な「桂花陳酒」は、中国のお酒の一種で、白ワインにキンモクセイの花を3年漬け込んで香りを移しながら熟成させた混合酒のことです。

古くは、楊貴妃が好んで飲んでいたと言われている秘酒でもあり、とても華やかで甘い匂いと風味を楽しめるお酒です。アルコール度数は13〜15度です。

VOL.666 黒七味 〜用語辞典

赤とうがらし、山椒、白ごま、黒ごま、ケシの実、麻の実、青のり、青しそを使い、これらの原材料を丁寧に炒ったあと、手でもみ込んで香りを引き出し、濃い茶色に仕上げた七味のことです。

一般的な七味に比べて香りがよく、原材料の持つ油分がにじみ出て、独特のしっとりとした手触りが特徴です。うどん、そばなどのめん類の薬味としてよく使われるほか、冷ややっこや鍋、おでんの薬味にも向いています。

VOL.665 グラッパ 〜用語辞典

グラッパとは、イタリアで造られる蒸留酒の一種です。
実は、果物を原料とする蒸留酒という意味ではグラッパもブランデーの一種に分類されますが、ブランデーとグラッパの違いは原料のブドウの状態と製造方法が挙げられます。

ブランデーは主に白ブドウの果汁のみを原料に造られ、そこから発酵、蒸留し、木樽で長期熟成します。一方グラッパは白ブドウに限らず黒ブドウからも造られ、ブドウの搾りかすが原料なので果汁以外にも皮や種が含まれています。

また蒸留方法もしっかり定められているブランデーと違い、グラッパは造り手によって蒸留方法が異なることから、アルコール度数が30度から60度と差が生じる場合もあります。

アルコール度数は30度から60度と高く、本場イタリアでは食後酒としてゆったりと楽しまれるのが一般的。またコーヒーのエスプレッソとグラッパを組み合わせる変わった飲み方もあります。

VOL.664 牛イチボ肉 〜用語辞典

牛の臀部(でんぶ)の肉の中の一部位のことです。
ランプと呼ばれる、お尻の骨周りの柔らかい部分を切り出したお肉です。ランプがサーロインにつながっているのに対して、イチボは外ももにつながる部位です。

サーロインのような霜降りの入った脂の程よい甘み、そして柔らかさと味わいに、赤身特有の肉々しい旨み、それら両方を感じることのできる贅沢な部位です。

サシが入っていて、なおかつ脂っこすぎず、赤身の旨味をしっかり感じ取れるジューシーな味わいが特徴です。

柔らかい部分はユッケや焼肉に、それ以外はこま切れ肉や角切り肉用に使います。