「美肌レシピ」カテゴリーアーカイブ

VOL.939 女性の食事摂取基準①

毎日女性が摂る栄養素

生活習慣病を予防し、より健康に生活する

私たちが健康に生きていくために必要な栄養素は、1日にどれだけ摂取すれば良いのでしょうか。厚生労働省がその基準値をまとめたものが「日本人の食事摂取基準」です。誰もがより長く健康に活躍できることを目指して、高齢者のフレイル予防や、若いうちから生活習慣病予防に重点を置いて科学的根拠に基づいた数値が示されています。女性が1日に摂取すべきエネルギー量や栄養素を年齢ごとに示したものが次の表になります。自分の年齢で何をどのくらい摂取すればいいのか、参考にしてください。

なお、最新版では目標を踏まえて、より一層の改善がなされています。
注目されるのは、65歳以上のフレイル予防を目的として、タンパク質量の目標摂取量が引き上げられた点と、過剰摂取による生活習慣病予防のために、成人の塩分及び飽和脂肪酸(脂質)の摂取量などが引き下げられた点です。

フレイル予防とは

わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。
医学用語である「frailty(フレイルティー)」の日本語訳で、「病気ではないけれど、年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態」のことです。

フレイルの基準には、さまざまなものがありますがFriedが提唱したものが採用されていることが多いです。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。

1.体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
2.疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
3.歩行速度の低下
4.握力の低下
5.身体活動量の低下

VOL.938 機能性分の栄養素②

植物性食品の色素

野菜や果物、お茶の色素が持つ強い抗酸化作用

野菜や果物、お茶に含まれる色素も、健康維持に必要な忘れてはならない栄養素になります。ココアや紅茶、ベリー類などに多く含まれる色素成分の役割は抗酸化です。酸化とは細胞から出る「サビ」のようなものです。植物の色素は、植物が自らを紫外線や悪い活性酸素から守るために蓄えられたもので、人間はそれを摂ることで酸化の害から身を守ることができます。

女性ホルモンは抗酸化機能を持っていますが、植物の色素は更年期から増加する動脈硬化や糖尿病、アレルギー炎症性疾患、高血圧、高コレステロールなどの予防が期待できる植物成分として研究が進んでいます。

主な色素成分として、大豆などの「イソフラボン」、野菜、果物のアントシアニンなどに代表される「ポリフェノール」、リコピンなどに代表される「カロテノイド」があります。

VOL.937 機能性分の栄養素①

消化・吸収できない成分で腸内環境を整える

食物繊維は人間にとって、消化・吸収できない成分です。そのため「栄養にならないムダなもの」と考えられていました。しかし、今では腸内環境を健全に維持するために重要な役割を担っていることがわかりました。とくに近年では、腸内細菌が私たちの健康に深く関わっていることも明らかになりました。

食物繊維は腸のぜん動運動を刺激して、排泄を促して腸内をきれいにします。また、食べた食品が腸内細菌のエサになり、善玉菌を繁殖させ、腸内細菌のバランス調整にも働きます。その他、糖質や脂質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑えたり、余分なコレステロールなどを体外に排泄したりする働きもあります。

野菜、イモ、豆、果物、海藻などの植物性食品に含まれており、更年期前から積極的に摂りたい栄養素です。

VOL.936 代謝調整に必要な栄養素②

ミネラル類

身体の構成成分や栄養の代謝、DNAの合成

骨や歯、赤血球、甲状腺ホルモンなどの身体の構成成分で、栄養の代謝やDNAの合成にも関わります。

歯や骨など、身体の構成成分となるほか、体内の生理機能の調整に関わっているのがミネラル類です。また、ビタミン類のように栄養素の代謝を調整する働きもあります。必須ミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、コバルトなどです。これらのミネラルは体内で作られないので、食事から摂る必要があります。

日本人はカルシウム不足、ナトリウムの摂りすぎという傾向があり、特に更年期の女性にとっては深刻な問題になります。カルシウムは必要量の70%しか摂取できておらず、塩分は40%も摂りすぎているという調査結果があります。ほかに、女性は月経があるため鉄分が補足しがちですが、更年期では閉経に近づいていくので、鉄不足の心配は解消されていきます。

VOL.935 代謝調整に必要な栄養素①

ビタミン類

生理機能の調整や代謝など

胎内の様々な生理機能の調整や代謝などに関わります。現在、必須と考えられているビタミンは、ビタミンA、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、D、E、Kの13種類です。

それぞれが体内で様々な働きを担っており、栄養素の代謝に関わったり、抗酸化作用によって活性酸素の害を防ぐなどの役割を果たしています。必要量はわずかですが、体内では合成できないため、必ず食事から摂る必要があります。中でも、ビタミンB群、Cの水溶性ビタミンは余分に摂っても尿中に排泄されてしまうので、不足しないように毎日摂るようにしましょう。

また、ビタミンDは免疫機能や骨・筋肉の合成に関わり、紫外線によって皮膚で合成できる唯一のビタミンですが、この年代の女性の40%がビタミンD不足と言われていますので、意識して摂るようにしましょう。

VOL.934 エネルギー源となる三大栄養素

炭水化物(糖質)

すぐ活用できるエネルギー源

穀類(ごはん、パン、麺)、イモ類、砂糖などの主成分です。炭水化物は生きていくための主要なエネルギー源です。エネルギーが必要となるのは運動の時だけではありません。休息しているときも、心臓や肺、脳などあらゆる臓器に絶え間なくエネルギーを供給しています。

食事から摂った糖質は血中に入り、血糖となって全身をめぐり、各臓器の細胞を動かすエネルギー源となります。まさに「命の源」と言えるでしょう。この重要な糖質を、日本では古くから主食として、ごはんから摂取しています。

タンパク質

身体をつくる成分

肉、魚、卵、大豆、大豆製品から摂取します。タンパク質は腸でアミノ酸に分解され、血液によって全身に運ばれて、筋肉や骨格、臓器、皮膚、毛髪などの細胞を合成します。身体を構成するアミノ酸は20種類あり、その中で体内ではつくられず、食事から摂らなければならない9種類のアミノ酸が「必須アミノ酸」と呼ばれています。9種類の必須アミノ酸をすべて含むタンパク質が「良質なタンパク質」といい、肉や魚、卵、大豆、大豆製品などに多く含まれています。

脂質

エネルギーの貯蔵庫

ごま油などの油脂や肉、魚に含まれるエネルギー成分です。体に蓄えられる脂肪エネルギーの貯蔵庫としての役割を果たします。ただし、過剰摂取やコレステロールの摂りすぎは、肥満や動脈硬化、糖尿病などのリスクを高めます。

一方で、細胞膜やホルモン、脳の材料になるなど、身体に欠かせない栄養成分でもあります。良質な脂質には動脈硬化を予防する働きもあります。更年期以降は過剰摂取に気をつけて、身体の機能に必要な良質な脂質を選びましょう。

三大栄養素には相互変換がある

炭水化物、タンパク質、脂質は、それぞれバランスよく摂取するのが理想です。ただし大切な栄養素であるが故に、体内には不足しがちなため、「相互変換」する機能があります。例えば、タンパク質が極端に不足したときには、肝臓で炭水化物からタンパク質が合成されて不足を補います。また、炭水化物を制限しても、脂質やタンパク質から糖質へと変換されます。こうした栄養素の代謝に必要なのがビタミン類やミネラル類です。