濡れた髪は最弱、少しの熱でもすぐ傷む
髪の主成分であるケラチンタンパク質は、とても丈夫で、硬タンパク質と呼ばれているほどです。でも、いくら丈夫とはいっても、やはり限界があります。乾いた状態では180℃、湿った状態では130℃からタンパク質に変性を起こし、さまざまなダメージがあらわれてきます。
髪が水分を含んでいると低温でもダメージを受けやすいので、アイロンなどで濡れた髪をスタイリングするときは温度設定に注意が必要です。
熱で変化した髪の断面
毛髪の中心にぽっかり穴が空いてしまいます。その周辺にも空洞ができてコルテックスはスカスカになります。
ヘアダメージをもたらす4つの敵
どんな髪型・髪質の人でも、何よりイヤなのが髪の痛みです。よく健康な髪にするためのトリートメントなどに、キューティクルを整えると書いてありますが、そもそもなぜキューティクルが大事なのでしょうか。
まず、毛髪のもっとも表面にあたるため、ツヤや手触りのなめらかさに直結するからです。そしてもう一つは、外敵から毛髪を守る役割を果たしているからです。キューティクルが乱れてしまうと、その内側にあるコルテックスがあらわになり、マトリックスというタンパク質が流出して水分保持力が落ち、髪はパサつき、ダメージヘアへまっしぐら。逆にキューティクルが整っていれば、外からのさまざまな刺激にも抵抗してくれるので、強い髪でいられるのです。
キューティクルは、暑く密なのが理想の状態です。その重なりは通常4〜6枚ですが、なかには8枚ある人もいて、反射率が高い分、髪がツヤツヤに見えます。残念ながら日本人の髪はキューティクルの厚みも密度も低く、ダメージを受けやすい傾向があります。まずは4つの敵を避け、キューティクルを守りましょう。
コルテックス(皮質)
毛髪の内部を形づくる組織で、髪の90%を占めています。水となじみやすい性質をもち、パーマやヘアカラーは、主にこの部分に作用しています。
メデュラ(髄質)
毛髪中心部の組織で、空洞の多いところです。パーマのかかりやすさや、太さにまで深く関係するといわれています。太毛には存在し、細毛には存在しないことが多いようです。
キューティクル(毛小皮)
毛髪表面を覆う組織で、保護膜のような透明でかたいウロコ状のものです。4〜6枚が重なり、外部刺激から髪内部を保護します。パーマ剤などの薬剤の浸透を妨げる働きもあります。
メラニン色素とは
コルテックス内にあり、髪の毛の色を決定する色素です。ヘアカラーはメラニンを分解・脱色しておこなわれます。
のり巻きのような構造髪の構造は巻き寿司に似ています。
のり…キューティクル
ごはん…コルテックス
具…メデュラ
※キューティクルがはがれることで髪のダメージは進行します。
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