水と油を仲良くさせて汚れを浮き上がらせる
シャンプーの役割は汚れを落とすことです。その要素となるのが界面活性剤です。
頭皮や毛髪の汚れには2種類あり、皮脂やスタイリング剤の残留物などの油汚れと、ホコリなど水に溶ける汚れに分けられます。油と水の両方になじむ性質をもつ界面活性剤は油を包み込み、表面を親水性へと変化させ、水に浮き上がらせて落とします。本来、水と混じり合わないはずの油汚れが水で落とせるのは、界面活性剤のおかげなのです。
前回紹介した洗浄剤も、すべて界面活性剤の一種です。いちがいに、泡立ちのよさ=洗浄力のよさではありませんが、シャンプーの場合は泡がクッションの役目を果たし、摩擦やからまりを防ぐので、泡立ちがよいほうが髪へのダメージは少なくなります。頭皮への負担を心配するのであれば、刺激の少ないアミノ酸系やペダイン系を選ぶといいでしょう。
シャンプーが油汚れを落すしくみ
①界面活性剤が、油汚れの表面に付着します。
②油汚れを包み込み、浮き上がらせます。
③油汚れが水に溶け出し、洗い流される。
以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類した表です。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。
ベタイン系
メリット
安全性が高く、低刺激です。保水性も高い。泡立ちはアミノ酸系よりもよいが、高級アルコール系よりは弱い
デメリット
高級アルコール系より価格が少し高めです
どんな髪似合うのか
ダメージ毛、敏感肌
成分表で見分けるキー成分
名前の最後に、〜ベタインとつくもの
以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類した表です。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。
高級アルコール系
メリット
泡立ちがよく、洗浄力も高いです。比較的安価なものです
デメリット
脱脂力や刺激が強い
どんな髪・肌に似合うのか
脂っぽい頭皮や脂性肌に向いている
成分表で見分けるキー成分
名前の頭に、ココイル〜、コカミド〜、ラウロイル〜がついているもの
以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類しています。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか。
石けん系
メリット
アルカリ性で洗浄力が非常に高いです。刺激は中間的。生分解性(微生物によって分解される性質)にすぐれて、環境に優しいです
デメリット
ゴワつきやきしみを感じやすく、パーマだれやヘアカラーの褪色が早い
どんな髪似合うのか
健康毛、普通肌
成分表で見分けるキー成分
脂肪酸エステル、脂肪酸ナトリウム
以下は、シャンプーの30〜40%を占める洗浄剤、つまり界面活性剤の種類で分類しています。複数の成分がまざっている場合もありますが、今、みなさまが使っているシャンプーはどの種類でしょうか
アミノ酸系
メリット
肌細胞と同じアミノ酸が主原料なので、安全性が高く、低刺激です。弱酸性なので髪のタンパク質を守りながら洗浄できます。泡がマイルド
デメリット
泡立ちが弱く、洗浄力が強くないため、ガンコな汚れは落としにくいです。比較的高価です
どんな髪・肌に似合うのか
ダメージ毛や敏感肌
成分表で見分けるキー成分
名前の頭に、ココイル〜、コカミド〜、ラウロイル〜がついているもの
キー成分で見分ける
シャンプーの目利きになるために
一般的にシャンプーは、髪質(やわらかい髪用やダメージヘア用など)、仕上がり感(しっとり、サラサラなど)、髪型(パーマ用など)で分類されています。こういった目安で選ぶのは間違いではありません。でもより自分にあったシャンプーを見つけたいなら、成分にも着目しましょう。
シャンプーの成分は水が50〜70%、洗浄剤が30〜40%といわれています。成分表は、配合量の多い順に書いてありますが、配合量1%以下については順不同です。特性やキー成分を知ってから、購入しましょう。
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