VOL.934 エネルギー源となる三大栄養素

炭水化物(糖質)

すぐ活用できるエネルギー源

穀類(ごはん、パン、麺)、イモ類、砂糖などの主成分です。炭水化物は生きていくための主要なエネルギー源です。エネルギーが必要となるのは運動の時だけではありません。休息しているときも、心臓や肺、脳などあらゆる臓器に絶え間なくエネルギーを供給しています。

食事から摂った糖質は血中に入り、血糖となって全身をめぐり、各臓器の細胞を動かすエネルギー源となります。まさに「命の源」と言えるでしょう。この重要な糖質を、日本では古くから主食として、ごはんから摂取しています。

タンパク質

身体をつくる成分

肉、魚、卵、大豆、大豆製品から摂取します。タンパク質は腸でアミノ酸に分解され、血液によって全身に運ばれて、筋肉や骨格、臓器、皮膚、毛髪などの細胞を合成します。身体を構成するアミノ酸は20種類あり、その中で体内ではつくられず、食事から摂らなければならない9種類のアミノ酸が「必須アミノ酸」と呼ばれています。9種類の必須アミノ酸をすべて含むタンパク質が「良質なタンパク質」といい、肉や魚、卵、大豆、大豆製品などに多く含まれています。

脂質

エネルギーの貯蔵庫

ごま油などの油脂や肉、魚に含まれるエネルギー成分です。体に蓄えられる脂肪エネルギーの貯蔵庫としての役割を果たします。ただし、過剰摂取やコレステロールの摂りすぎは、肥満や動脈硬化、糖尿病などのリスクを高めます。

一方で、細胞膜やホルモン、脳の材料になるなど、身体に欠かせない栄養成分でもあります。良質な脂質には動脈硬化を予防する働きもあります。更年期以降は過剰摂取に気をつけて、身体の機能に必要な良質な脂質を選びましょう。

三大栄養素には相互変換がある

炭水化物、タンパク質、脂質は、それぞれバランスよく摂取するのが理想です。ただし大切な栄養素であるが故に、体内には不足しがちなため、「相互変換」する機能があります。例えば、タンパク質が極端に不足したときには、肝臓で炭水化物からタンパク質が合成されて不足を補います。また、炭水化物を制限しても、脂質やタンパク質から糖質へと変換されます。こうした栄養素の代謝に必要なのがビタミン類やミネラル類です。

VOL.933 五大栄養素と機能性成分

人間が生きていくために必要な栄養素

年齢を重ねるとダイエットや美容だけでなく、健康のことが一番気になってきます。メディアやインターネットには「健康にいい」とされる様々な情報が溢れているので、何を信じたらいいのかわからなくなる人も多いことでしょう。

まず、栄養の基本的なことを理解しておきましょう。私たちが生きていくために必要なものは、「糖質(炭水化物)」、「タンパク質」、「脂質」の三大栄養素に加え、「必須ビタミン」と「ミネラル」をあわせた「五大栄養素」が欠かせません。不足するとスタミナ切れや免疫力の低下、肌荒れ、抜け毛といった不調につながり、やがては重大な病気を引き起こすことにもなりかねません。

また、五大栄養素のほかに健康を支えているのが、食物繊維と植物性食品の色素に含まれる機能性成分です。「ポリフェノール」「カロテノイド」「フラボノイド」などです。

更年期になると、これらの栄養素を過不足なく、バランスよく摂ることがとても重要になります。更年期がくる前から意識して摂るようにしましょう。

人間の体に必要な栄養素

[五大栄養素]

 炭水化物
 タンパク質
 脂質

   +

 ビタミン類
 ミネラル類

   +

[機能性成分]

 食物繊維
 植物性食品の色素

VOL.932 更年期の不調レベル簡易自己診断

不調の表れ方や程度は人によってさまざまです。以下のチェック表で、自分の状態を客観的に見つめましょう。

不調レベルチェック簡易更年期指数(SMI)

①顔がほてる

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

②汗をかきやすい

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

③腰や手足が冷えやすい

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

④息切れ、動悸がする

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

⑤寝つきが悪い、または眠りが浅い

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

⑥怒りやすく、すぐイライラする

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

⑦クヨクヨしたり、憂うつになることがある

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

⑧頭痛、めまい、吐き気がよくある

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

⑨疲れやすい

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

⑩肩こり、腰痛、手足の痛みがある

 オフ強い 10
 オフ中   6
 オフ弱い  3
 オフ無し  0

更年期指数の自己採点の評価

0〜25点

上手に更年期を過ごしています。これまでの生活習慣を続けていきましょう。

26〜50点

食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。

51〜65点

医師の診察を受けて、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。

66〜80点

医師の診察を受けて、長期的(約半年間)の計画的な治療が必要です。

81〜100点

各科の精密検査を受けて、更年期障害である場合は、専門医での長期的な治療が必要です。

VOL.931 女性ホルモンの減少と心身の不調②

40代後半ごろから徐々に出る不調

動脈硬化

血管の柔軟性を保つ働きが低下し、動脈硬化を起こしたり、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まります。

メタボリックシンドローム

血中コレステロールや脂質を抑える働きの低下によって、内臓脂肪が増えてメタボや肥満の傾向になります。

骨粗しょう症

骨からカルシウムが溶け出し、骨の内部がスカスカになります。骨折しやすくなり、要介護になりやすい。

肌の不調

コラーゲンの生成や新陳代謝がうまく行われなくなり、たるみ、くすみなどの悩みが生じます。

シワ・シミの増加

水分保持力が減少し、肌が乾燥しやすくなり、カサつきやシワの原因に。シミも目立つようになります。

毛髪の減少

髪が細くなり、ハリやツヤがなくなってボリュームが減少します。抜け毛によって量自体も少なくなります。

自律神経失調症

自律神経の働きが乱れ、ほてりやのぼせ、発汗、冷え、頭痛、倦怠感などの不調が表れます。

不眠

ほてりや発汗などにより寝つきが悪くなり、何度も目が覚めるなど、不眠も起きやすくなります。

VOL.930 女性ホルモンの減少と心身の不調①

急激な減少によって起こる様々な不調

閉経前後の約10年間を更年期といいます。女性ホルモンが急激に減少するために、様々な不調が生じて、老化が加速します。それまで女性ホルモンによって守られてきた種々の機能の衰えなどから、内臓脂肪型肥満や高コレステロール血症、高血圧などのメタボリックシンドロームが急に発症しやすくなります。

更年期はこれらの病気のリスクが高まってきます。誰でも迎える更年期のせいだと放置せずに、老化が急速に加速する入り口に入ったのですから、末長い健康と若さを保つために、これらを少しでも食い止める食生活や運動を始めましょう。

VOL.929 女性ホルモンの大きな役割②

血管系、骨、皮膚、神経系を若く保つ

妊娠を助ける

排卵期に子宮内膜を厚くして、受精卵の着床を促すほか、体温を上げて受精卵が育成されやすい環境をつくります。妊娠しない場合は子宮内膜が体外に排出されて、生理となります。

老化を遅らせる

ツヤツヤした髪の潤いと弾力のある肌などといった、若々しさを維持するのも女性ホルモンの働きです。細胞の新陳代謝や皮膚のコラーゲンの生成にも関与しています。

健康維持に役立つ

血中コレステロールを抑える、カルシウムが骨に沈着するのを助けて、強い骨を作るなど、女性の健康維持増進に役立ち、生活習慣病のリスクを抑えています。

Make a feels & Give to you