①適正体重を計算する
1日の必要エネルギー量を求めるために適正体重を知りましょう。(BMI指数参照)
適正体重=身長(m)×身長(m)×BMI指数22
※BMI指数とは Bady Mass Indexの略称で、体重と身長から算出される肥満度を表す国際的な指標です。指数22は、死亡率が最も低いとされる数値です。
②基礎代謝量を計算する
適正体重がわかったら、その体重に基づく基礎代謝量を計算しましょう
基礎代謝量(kcal / 日)=
適正体重(kg)×基礎代謝基準値(kcal / kg (体重 / 日))
※基礎代謝基準値(kcal / kg 体重 / 日)
30〜49歳
□女性 21.9
□男性 22.5
50〜64歳
□女性 20.7
□男性 21.8
65〜74歳
□女性 20.7
□男性 21.6
③1日のエネルギー量を算出する
基礎代謝量に1日の活動エネルギー量を加えたものが、推定エネルギー必要量です。以下の式で算出してください。
推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベル
※身体活動レベル
低い 1.5
生活の大部分が座位で、静かな活動が中心の場合
普通 1.75
座位中心の仕事で、職場内での移動や立位での作業・接客、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合
高い 2
移動や立位の多い仕事に従事している、または、スポーツなど余暇における活発な運動習慣を持っている場合
毎日女性が摂る栄養素
しっかり動くことが健康維持の秘訣
1日の栄養素の必要量を考えるとき、気をつけるポイントは、食品によって栄養素の吸収率が大きく異なることです。例えば、鉄分を動物性食品から摂取した場合の吸収率は植物性食品の4〜10倍です。また、カルシウムは乳製品から摂取した場合の吸収率は、野菜の4〜5倍になります。そのほか、栄養素の吸収率は調理法によっても変わります。更年期以降は栄養の吸収率が低下してきますので、食材や調理法を上手に選びながら各種の栄養素を取り入れましょう。
そして重要なのが、日々の活動量です。ほとんど動かない生活だからといって少食にしている方も多いと思いますが、これは大きな勘違いです。身体を動かすと栄養素の吸収・代謝の効率がよくなりますので、身体を動かさないとせっかく食べた栄養素の吸収が悪くなり、身につかず排泄されてしまいます。しっかり食べて、しっかり動くのが健康維持の秘訣になります。
更年期以降の女性が摂る主な栄養素
エネルギー
推定エネルギー必要量(kcal / 日)
□30〜49歳 1,750
□50〜64歳 1,650
□65〜74歳 1,550
タンパク質
推奨量(g / 日)
□30〜49歳 50
□50〜64歳 50
□65〜74歳 50
脂質
目標量(範囲)(%エネルギー / 日)
□30〜49歳 20〜30
□50〜64歳 20〜30
□65〜74歳 20〜30
炭水化物
目標量(%エネルギー / 日)
□30〜49歳 50〜60
□50〜64歳 50〜65
□65〜74歳 50〜65
塩分
推奨量(食塩相当量)(g / 日)
□30〜49歳 6.5未満
□50〜64歳 6.5未満
□65〜74歳 6.5未満
カルシウム
推奨量(mg / 日)
□30〜49歳 650
□50〜64歳 650
□65〜74歳 650
ビタミンD
推奨量(ug / 日)
□30〜49歳 8.5
□50〜64歳 8.5
□65〜74歳 8.5
食物繊維
推奨量(g / 日)
□30〜49歳 18以上
□50〜64歳 18以上
□65〜74歳 17以上
※出典 日本人の食事摂取基準(2020年版)より
毎日女性が摂る栄養素
生活習慣病を予防し、より健康に生活する
私たちが健康に生きていくために必要な栄養素は、1日にどれだけ摂取すれば良いのでしょうか。厚生労働省がその基準値をまとめたものが「日本人の食事摂取基準」です。誰もがより長く健康に活躍できることを目指して、高齢者のフレイル予防や、若いうちから生活習慣病予防に重点を置いて科学的根拠に基づいた数値が示されています。女性が1日に摂取すべきエネルギー量や栄養素を年齢ごとに示したものが次の表になります。自分の年齢で何をどのくらい摂取すればいいのか、参考にしてください。
なお、最新版では目標を踏まえて、より一層の改善がなされています。
注目されるのは、65歳以上のフレイル予防を目的として、タンパク質量の目標摂取量が引き上げられた点と、過剰摂取による生活習慣病予防のために、成人の塩分及び飽和脂肪酸(脂質)の摂取量などが引き下げられた点です。
フレイル予防とは
わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。
医学用語である「frailty(フレイルティー)」の日本語訳で、「病気ではないけれど、年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態」のことです。
フレイルの基準には、さまざまなものがありますがFriedが提唱したものが採用されていることが多いです。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。
1.体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
2.疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
3.歩行速度の低下
4.握力の低下
5.身体活動量の低下
植物性食品の色素
野菜や果物、お茶の色素が持つ強い抗酸化作用
野菜や果物、お茶に含まれる色素も、健康維持に必要な忘れてはならない栄養素になります。ココアや紅茶、ベリー類などに多く含まれる色素成分の役割は抗酸化です。酸化とは細胞から出る「サビ」のようなものです。植物の色素は、植物が自らを紫外線や悪い活性酸素から守るために蓄えられたもので、人間はそれを摂ることで酸化の害から身を守ることができます。
女性ホルモンは抗酸化機能を持っていますが、植物の色素は更年期から増加する動脈硬化や糖尿病、アレルギー炎症性疾患、高血圧、高コレステロールなどの予防が期待できる植物成分として研究が進んでいます。
主な色素成分として、大豆などの「イソフラボン」、野菜、果物のアントシアニンなどに代表される「ポリフェノール」、リコピンなどに代表される「カロテノイド」があります。
消化・吸収できない成分で腸内環境を整える
食物繊維は人間にとって、消化・吸収できない成分です。そのため「栄養にならないムダなもの」と考えられていました。しかし、今では腸内環境を健全に維持するために重要な役割を担っていることがわかりました。とくに近年では、腸内細菌が私たちの健康に深く関わっていることも明らかになりました。
食物繊維は腸のぜん動運動を刺激して、排泄を促して腸内をきれいにします。また、食べた食品が腸内細菌のエサになり、善玉菌を繁殖させ、腸内細菌のバランス調整にも働きます。その他、糖質や脂質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑えたり、余分なコレステロールなどを体外に排泄したりする働きもあります。
野菜、イモ、豆、果物、海藻などの植物性食品に含まれており、更年期前から積極的に摂りたい栄養素です。
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