「SKIN CARE」カテゴリーアーカイブ

VOL.954 更年期の不調は食事と運動で改善①

症状によって必要な栄養素は異なります

妊娠・出産に備えて身体を整える働きを持つ女性ホルモンは、女性の健康を支える重要な役割も果たしています。更年期は、卵巣機能の衰えにより、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少にともない、心身にさまざまな不調が現れます。

さらに、生活習慣病のリスクも高まります。これは、女性ホルモンのサポートが得られなくなるため、これまでの好ましくない食事や生活習慣の悪影響が体調に現れやすくなります。残念なことのようにも思えますが、自分の生活を振り返り、適切な食事や軽い運動をするなど、生活習慣を改善できるチャンスでもあります。

身体に現れる不調は、栄養不足や摂りすぎを知らせるサインです。人生100年といわれる時代に、更年期後も老化を抑えて、生き生きとした健康な生活を送れるよう、食事や生活習慣を見直してみましょう。

VOL.953 更年期に重要な栄養素⑧〜減塩

血圧を下げることで疾病予防

カルシウム・カリウム・マグネシウム

高血圧の大きな原因のひとつが、塩分(ナトリウム)の摂りすぎです。塩分濃度を調整するために血液量が増えてしまうため、血管への圧力が高まります。これが過剰な塩分が高血圧を引き起こすしくみです。酢やハーブ、スパイス、ダシなどを上手に使って、食事の塩分量を少しずつ減らしましょう。

食事に取り入れたい栄養素が、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルです。これらは腎臓でナトリウムを尿などで体外に排出させる働きがあります。そのため、カルシウム、カリウム、マグネシウムも高血圧予防に欠かせない栄養素になります。

積極的にミネラルを摂る

牛乳や乳製品、大豆製品などのカルシウム源のほか、カリウム、マグネシウムの多い野菜、海藻、ナッツ類などを摂って、積極的にナトリウムを排出させましょう。

塩分を控えた食事

塩分摂取量の目安は1日6.5g未満です。酢やスパイス、ダシなどで味付けを工夫しましょう。

VOL.952 更年期に重要な栄養素⑦〜食物繊維

腸内環境を整え血糖値上昇を抑制

ベジタブル・ファースト

更年期では、女性ホルモンの減少による自律神経の乱れにより、腸のぜん動運動が起こりにくくなります。腸内の環境が悪くなると太りやすくなったり、肌トラブル、便秘など、ほかの不調にもつながります。

食物繊維は、腸を刺激してぜん動運動を促し、老廃物を体外へ排出する作用があります。また、善玉菌のエサにもなり、腸内環境のバランスを整えたり、血糖値の上昇を和らげたりする働きもあるので、不足しがちな食物繊維を十分に摂りましょう。

食事をするときは、食物繊維が豊富なものから食べる「ベジタブル・ファースト」が推奨されています。食物繊維を先に食べることで、糖質の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑えてくれます。

穀物類や根菜類に豊富な食物繊維

蕎麦などの穀類やゴボウなどの根菜に多く含まれるいろいろな食物繊維は、腸内で水分を吸って膨らみ、不要なものを排出させ、活発なぜん動運動を促す働きがあります。

水溶性食物繊維もバランスよく

善玉菌のエサになるほか、血糖値や中性脂肪の上昇をゆるやかにするのが水溶性食物繊維です。リンゴや果物、オートミールなどに豊富に含まれています。

VOL.951 更年期に重要な栄養素⑥〜ビタミン・ミネラル類

栄養の代謝や体内の機能調整

サプリメントではなく食事から摂る

ビタミンやミネラル類は、エネルギーのもとにはなりませんが、栄養の代謝や体内の機能調整に関わっており、生きていく上で欠かせない栄養素です。しかし、体内でつくることができないため、食事から摂る必要があります。

ビタミンやミネラルが不足すると、食事で摂った栄養素をうまく使うことができなくなります。例えば、エネルギー代謝に関わるビタミンB2が不足すると、疲れやすくなったり、脳や神経の働きが悪くなったりすることがあります。また、鉄分が不足するとスタミナ不足の原因になります。あまりサプリメントに頼らず、できるだけ食事から摂りましょう。毎日偏ることなく、色々な種類の食材から必須栄養素を摂りましょう。

抗酸化ビタミンACE

抗酸化ビタミンの中でも脂溶性のビタミンが多いのが、緑黄色野菜やウナギ、タラコなどです。油との相性がよいので加熱調理が効率的です。

ミネラルを含む食材を積極的に

亜鉛、銅、セレン、マンガンは体内の抗酸化システムに重要な栄養素です。これらが豊富な牛肉、牡蠣、魚介類や海藻、ナッツ類、蕎麦を積極的に摂りましょう。

VOL.950 更年期に重要な栄養素⑤〜抗酸化物質

活性酸素を撃退

フレッシュな細胞を維持する

活性酸素は酸素を取り込む過程で生じてしまう物質です。免疫機能なども受け持つ一方、過剰に発生すると細胞を酸化させて、老化を招きます。例えば、シミやシワといった美容の悩み、ガンや血管の老化、生活習慣病を招く原因などです。エストロゲンには活性酸素を消去する働きもありますが、更年期には分泌が減少してしまいますので、活性酸素の害から身体を守ってくれる抗酸化物質が重要になります。

大豆、野菜、果物などの食べ物から摂取することができます。例えば、ビタミンA、C、Eなどの「抗酸化ビタミン」や緑茶、赤ワインなどのポリフェノールには高い抗酸化力が備わっています。これらの抗酸化物質は、強い紫外線などの影響から身を守るために、植物が自ら生み出した物質です。それを私たちが食べることで、酸化による身体の老化を予防できます。

イソフラボンが老化を抑える

大豆に含まれるポリフェノールの一種「イソフラボン」には抗酸化作用があるほか、女性ホルモンと似た働きがありますので、心身を健やかに調えます。

緑黄色野菜や果物も補給

抗酸化物質が豊富に含まれるのは緑黄色野菜や果物類です。抗酸化物質をしっかり摂って活性酸素の影響を体内から除去しましょう。

VOL.949 更年期に重要な栄養素④〜ビタミンD

不足しがちなビタミンD

免疫力を高め、筋肉量を保つ

ビタミンDは、カルシウムやタンパク質といった栄養素の代謝に関わり、丈夫な骨や筋肉をつくったり、免疫機能を調整する役割を果たしたり、免疫力向上のためにも大切な栄養素です。しかし、ビタミンDは日本人には不足しがちな栄養素です。主に魚介類に豊富に含まれており、オメガ3系脂肪酸脂肪酸も多く含まれていますので、積極的に摂取しましょう。また、日光にあたることで皮膚でもビタミンDは生成されます。ウォーキングなど屋外での軽い運動を習慣にするのがおすすめです。日焼けが気になりますが、約30程度の日光浴で必要なビタミンDが合成できます。

骨や筋肉を丈夫にするには、カルシウムやタンパク質などの必要な栄養素を摂った上での運動が最も効果的です。食事と軽い運動習慣で、女性ホルモンの減少からくる体力の衰えを未然に防ぎましょう。

ウナギ、小魚、シャケなど魚全般には豊富

ウナギや小魚、ブリ、サンマなどの魚介類にはビタミンDが豊富に含まれてます。タンパク質やDHA、EPAなども豊富なので、毎日の摂政がおすすめです。

わずかながらキノコ類にも含まれる

キノコ類の中でビタミンDの含有量が多いのは、マイタケです。ただし、魚介類に比べれるとかなり少ないので、上手に組み合わせましょう。