VOL.392 にんじん〜美容ビタミン野菜

βカロテンをたっぷり含んだ美容ビタミン豊富な野菜

【主な栄養素】

βカロテン

β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれるカロテノイドの一種で、強力な抗酸化力を持つ栄養素です。体内では必要量に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとしても効果を発揮します。

抗酸化作用が強いのでアンチエイジングにオススメ。タンパク質と結合してコラーゲンを生成したり、メラニンの生成を抑制する美白効果もあります。

人体の粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ったり、視力を維持するために必要不可欠な成分です。

夜盲症の予防・改善効果
β-カロテンからつくられるビタミンAは、視力を正常に保つ役目も担っており、特に夜盲症の予防や視力低下の抑制などが知られています。

黄斑変性症を予防する効果
β-カロテンの持つ抗酸化作用は、黄斑変性症を予防する効果につながっています。β-カロテンは、抗酸化作用を持つほかのビタミン(ビタミンC、ビタミンEなど)や亜鉛などと一緒に経口摂取を行うことで、黄斑変性症の進行を遅らせる効果があるといわれています。

粘膜を健康に保つ効果
β-カロテンから変換されるビタミンAには、人間の粘膜[※6]を丈夫にする働きがあるため、口、鼻、のど、肺、胃や腸の健康維持に効果的です。粘膜が弱まると、体内に病原体やウイルスが侵入しやすくなるため、風邪をひきやすい、口内炎が出来やすい、歯茎が腫れているなどの症状はビタミンAの不足が考えられます。

美肌効果
ビタミンAは皮膚の健康維持にも関与しています。皮膚の新陳代謝を高める作用も行っているため、ビタミンAの不足は肌のカサつき(乾燥肌)やニキビ肌などにもつながります。美肌を保つためには日頃のスキンケアだけではなく、β-カロテンの適度な摂取も大切な条件なのです。

体の成長を促進させる効果
ビタミンAには強い骨づくりの補助、成長の促進などの効果があり、子どもの発育期におけるビタミンAの摂取不足は、成長の停止や知能障害などが欠乏症として現れる場合もあります。成長期の子どもにとって、ビタミンAとして働くβ-カロテンは特に欠かすことのできない栄養素であると考えられています。

ガンを予防および抑制する効果
年々、患者数が増加しているガンは、多くの細胞の遺伝子が活性酸素によって傷つけられることがきっかけとなり発生します。β-カロテンの持つ抗酸化作用は、ガンのきっかけとなる遺伝子の損傷を防止する効果があり、ガンの予防や抑制の効果が期待できます。

ビタミンB6

エネルギー代謝の補酵素として重要なビタミンです。
特にタンパク質の分解・合成を助けるため、たんぱく質の摂取量が多いほどビタミンB6の必要量も多くなります。

免疫機能の正常な働きの維持、皮膚や粘膜の抵抗力の増進にも必要で、赤血球のヘモグロビンの合成にも欠かせない栄養素になります。また、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎ、肝脂肪の予防にも効果を発揮します。

神経伝達物質の合成にも関わるため、精神状態の安定に役立ちます。ホルモンのバランスを整える働きもあり、女性の味方となるビタミンといえます。

神経伝達物質のサポート
神経伝達物質にはGABAやセロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなどがあり、これらはアミノ酸によって合成されます。ビタミンB6はアミノ酸の代謝と関わっているため、神経伝達物質の合成を促進する作用があります。心を落ち着かせたいときに摂り入れたい栄養素です。

女性の味方の栄養素
ビタミンB6は、エストロゲンの代謝に関わり、ホルモンのバランスを整える働きがあります。赤血球の合成にも役立つため、月経前症候群 (PMS)の症状をやわらげる働きがあるといわれています。

また、妊娠するとタンパク質代謝が促進され、ビタミンB6が欠乏することでつわりが誘発されるという説から「ビタミンB6を補うとつわりが軽減される」という研究もあり、注目されています。

ビタミンB6が不足すると
ビタミンB6は食品から摂る以外に腸内細菌からもつくられるため、欠乏症が起こることはほとんどありませんが、妊娠中や、ピル (経口避妊薬)を飲み続けている時は、ホルモンの関係でビタミンB6の必要量が増加し、不足しやすくなります。

また、抗生物質を長期間服用していると、腸内細菌のバランスが崩れることによってビタミンB6を合成する働きが低下し、ビタミンB6の欠乏症が起こることがあります。

ビタミンB6が欠乏すると様々な代謝異常が起こり、特に皮膚と粘膜にトラブルが起きやすくなります。症状としては、舌炎、口内炎、口角炎、結膜炎や、目・鼻・耳などに脂漏性皮膚炎などが見られます。

血液中で鉄を運ぶ「ヘモグロビン」という物質を合成する時にも必要な栄養素なので、不足すると貧血が起こることもあります。

また、神経に異常が出て、末梢神経障害、けいれん、手足のしびれ、眠気、不眠症、食欲不振、倦怠感、情緒不安定、中枢神経の異常などが起こることがあります。

一方、大量に摂取した場合は、感覚性ニューロパシー(感覚神経障害)が起こりますが、通常の食事からの摂取ではまず過剰症の心配はないでしょう。

食物繊維

大腸の働きを活発にし、腸内をお掃除します。善玉菌を増やして腸内環境を整えます。不足すると腸内に老廃物が溜まり、便秘や肌荒れ、病気の原因にもなります。

食物繊維は「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」と定義されています。水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維とに大別されます。消化されないため、エネルギー源にはなりません。

水溶性食物繊維には果物や野菜に含まれるペクチン、コンブやワカメなどのぬるぬるの成分のアルギン酸などがあります。不溶性食物繊維には、植物の細胞壁を構成しているセルロースやヘミセルロース、リグニンなどがあります。カニやエビの殻に含まれるキチンも不溶性食物繊維に分類されます。

水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらも体内には吸収されませんが、健康のためには重要な役割を果たしており、第六の栄養素ともいわれ注目されています。

水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値も低下させます。さらに、ナトリウムを排出する効果もあるので、高血圧を予防する効果もあります。食物繊維は低カロリーで肥満の予防にもなるので、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果があります。

水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。

また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。

食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化によって便秘になりやすくなります。その結果、痔になったり、大腸癌のリスクが高まったりします。また、糖尿病などの生活習慣病のリスクも高くなります。そのほかにも、食物繊維の多い食品は、低カロリーの上に噛み応えもあり、食べた時の満足感も高いため、食物繊維の多い食事をとることで肥満も防ぐことができます。

通常の食事では食物繊維の過剰摂取の心配はなく、むしろ、現在の日本人は食物繊維が不足ぎみなので、意識して摂る必要があります。

サプリメントなどの健康食品を利用する際は、飲みすぎるとおなかが緩くなったり、他の栄養素の吸収を妨げたりする可能性があるため、注意が必要です。

【こんなお悩みの人にオススメ】

□冷え・コリ
□便秘
□肌トラブル
□アンチエイジング
□不眠
□生理不順
□貧血

【選び方・保存のコツ】

表面にツヤがあり、オレンジ色が鮮やかで、葉の切り口が小さめのものが美味しいといわれています。切り口が黒っぽくなっているものは新鮮ではありません。

水分を嫌うので、水気がついていたら拭き取りましょう。新聞紙やキッチンペーパーで包み、できれば立てた状態で冷蔵庫の野菜室で保存します。

【美味しい旬は】

10月・11月
※本来は冬が旬ですが、品種によりばらつきがあります。年中手に入る野菜です。

VOL.391 にらのXO醬焼きそば

うま味調味料としょうがを効かせた一品

材料(2人分)

にら・・・1束
もやし・・・1/2袋
しょうが・・・1/2片
むきえび・・・100g
 塩・・・少々
 酒・・・小さじ1

油・・・大さじ1と1/2
塩・・・少々
こしょう・・・少々
蒸し中華麺・・・2玉
水・・・大さじ1

A
XO醬・・・大さじ1
しょうゆ・・・小さじ1
酒・・・小さじ1

塩・・・少々

作り方

①にらは3cmの長さに切り、もやしはひげ根をとります。しょうがは千切りにします。むきえびは背わたをとり、塩、酒で下味をつけます。

②フライパンに油大さじ1としょうがを入れて弱火にかけ、香りが出てきたら中火にしてエビを炒めます。エビの色が変わってきたら、にら、もやしを加えてサッと炒めます。塩、こしょうを少々ふり、一度取り出します。

③フライパンに残りの油を熱して中華麺を入れ、分量の水をふって麺をほぐしながら中火で炒めます。水分を飛ばすように仕上げます。

④③に②を加えて炒め合わせ、塩で味を調えたら完成です。

このレシピで摂れる美肌栄養素

ビタミンA・ビタミンE・ビタミンC・ビタミンK・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・タンパク質・カリウム・リン・食物繊維

VOL.390 にら〜健美野菜

濃厚な緑の葉野菜には元気と美容のビタミンが豊富

【主な栄養素】

ビタミンE

「若返りのビタミン」と言われる、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぎます。また、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあり、加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立ちます。

ビタミンEは、紫外線や外的刺激から肌を守り、適度な潤いを保つために必要な「バリア機能」を安定させます。また、ビタミンEには血行促進作用があり、皮膚の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促します。シミ・ソバカスが気になる方も積極的にとりたい美肌栄養素です。

脂溶性ビタミンであるビタミンEは、生で食べるよりも炒めものなど、油脂と一緒に摂取する方が吸収率が高くなります。酸化しやすい性質があるため、鮮度の良いうちに食べた方がいいでしょう。ビタミンC、βカロテン、ビタミンB2、セレンと一緒に摂ることで抗酸化力アップにつながります。

さまざまな食品から摂取できるため欠乏症は起こりにくいと考えられていますが、「欠乏した場合」、溶血性貧血、不妊症、眼の障害、筋力低下、神経障害などが起きる可能性があります。血行も悪くなり、冷え性や頭痛、肩こりなどを起こしやすくなります。また、血液中のコレステロールも酸化しやすくなるため、これが血管壁に入り込んで溜まり動脈硬化の原因につながります。

また、体内に蓄積されにくい特性を持っているため、通常の食生活では過剰の心配はありませんが、アンチエイジングを謳ったサプリメントや健康食品等で、「長期の過剰摂取」により軽度の肝障害のリスクがあるため、目安量の摂取を心がけましょう。

カリウム

体液のバランスを整えるのに不可欠なミネラルです。

カリウムは、細胞の浸透圧を維持しているナトリウムとバランスをとりながら細胞を正常に保ち、血圧の調整したりして、常に一定したよい体内の状態(恒常性)を維持することに役立っています。

ナトリウムはとり過ぎると高血圧の一因になりますが、その一方でカリウムは血圧を下げる働きがあります。ナトリウムを体外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。

また、カリウムが不足すると脱力感、食欲不振、筋無力症、精神障害、不整脈、むくみ、などの症状がみられることがあります。近年では、カリウムの摂取量を増やすことによって脳卒中の予防や骨密度の増加につながることもわかっています。

βカロテン

抗酸化作用が強いので、アンチエイジングにオススメ。タンパク質と結合してコラーゲンを生成します。さらにメラニンの生成を抑制し、美白効果もあります。

【こんなお悩みの人にオススメ】

□冷え・コリ
□便秘
□肌トラブル
□アンチエイジング
□生理不順
□美白

【選び方・保存のコツ】

全体的に緑色が濃く、歯が肉厚でしっかりしたものを選びましょう。新鮮なものは香りも強い。古くなってくると葉先が変色してきます。また根元の切り口を見てみずみずしいものは新鮮な証拠です。

保存するときはポリ袋に入れて野菜室で保存します。折れたり、濡れたりするとここから痛むので注意しましょう。できるだけ早く食べることをおすすめします。

【美味しい旬は】

3月〜5月

VOL.389 長いもと野菜の焼きマリネ

彩り野菜を焼いたビタミン補給の一品

材料(2人分)

長いも・・・100g
赤パプリカ・・・1/4個
黄パプリカ・・・1/4個
ブロッコリー・・・50g

A
オリーブオイル・・・大さじ3
白ワイン・・・大さじ1
塩・・・少々
こしょう・・・少々
にんにくのみじん切り・・・1/4片分

作り方

①長いもは皮をむき、7mmの厚さの輪切りにします。パプリカはヘタを落として種をとり、食べやすい大きさに切ります。ブロッコリーは小房に分けます。

②Aを混ぜ合わせます。

③焼き網を熱して①を焼き、焼き色をつけます。

④③が熱いうちに②に漬け、味をなじませたら完成です。

このレシピで摂れる美肌栄養素

ビタミンC・ビタミンE・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・葉酸・パントテン酸・ビオチン・カリウム・マグネシウム・食物繊維

VOL.388 韓国風煮物

ゴツゴツした表面に味がしみてる一品

材料(2人分)

長いも・・・200g
昆布・・・5×2cm

A
しょうゆ・・・大さじ2/3
酒・・・大さじ2/3
みりん・・・大さじ1/2
コチュジャン・・・大さじ1/2
にんにくのすりおろし・・・小さじ1
赤唐辛子・・・1/2本

油・・・大さじ1
ちりめんじゃこ・・・大さじ1
いり白ごま・・・大さじ1/2
万能ねぎ・・・適宜

作り方

①長いもは皮をむき、ポリ袋に入れて、すりこ木などで叩いて、食べやすい大きさに割ります。

②昆布は水で戻して千切りにします。Aの赤唐辛子は種を除いて小口切りにします。万能ねぎも小口切りにします。

③フライパンにサラダ油を熱し、①を炒めます。焼き色がついたらA、昆布ちりめんじゃこを加えて、汁気をとばすように炒め上げます。

④③を器に盛り付けて、万能ねぎと白ごまを散らしたら完成です。

このレシピで摂れる美肌栄養素

ビタミンC・ビタミンD・ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンB12・パントテン酸・カリウム・マグネシウム・食物繊維

VOL.387 長いも〜元気の野菜

おろしても切っても独特な食感で、食べればみるみる元気が出てくる

【主な栄養素】

アミラーゼ

消化酵素のひとつで、唾液にも含まれている成分です。炭水化物を分解し、消化を促して胃もたれを防いでくれる。加熱すると壊れるので、生食でパワーを発揮します。

イヌリン

植物の根っこに多く含まれている多糖類の一種で胃の粘膜を保護し、胃腸の環境を整える働きがあります。ねばり食材に多い、疲れを取る作用もあります。

コンドロイチン硫酸

傷ついた細胞を回復させるのに必要な成分です。ケガや肌荒れを起こした肌細胞、なめらかに動かない関節などにも作用し、回復を早める。

【こんなお悩みの人にオススメ】

□冷え・コリ
□便秘
□肌トラブル

【選び方・保存のコツ】

長いもは毛が生えているが、この根は細かいほうが美味です。表面にハリとツヤがあり、ずんぐりと丸みを帯びたものが新鮮です。持ってみてずっしり重いのは、水分を蓄えている証拠。

保存するときは丸ごとなら新聞紙で包んで冷暗所へ。切ってあるものは切り口にラップをして、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

【美味しい旬は】

11月〜1月・4月・5月
※基本的には冬が旬です。春にも収穫ができ、こちらの方がうま味が強い。