Vol.155 紫外線にるシミができるしくみと美白成分のはたらき

1. メラニンをつくる指令がでる

紫外線が肌にあたると、表皮細胞からエンドセリンなどの情報伝達物質が分泌されると、シミのもとになるメラニン色素をつくる「メラノサイト」の起動スイッチが入ります。

美白成分の働き
カモミラETなどの抗炎症作用

2. メラニンをつくり始める

エンドセリンなどの情報伝達物質がメラノサイトに届くと、メラノサイト内でメラニン色素の生成が始まります。「チロシン」というアミノ酸に対して、メラノサイトにある「チロシナーゼ」という酸化酵素が働いて、メラニン色素へと変化します。

美白成分の働き
アルブチン、コウジ酸など大半の美白成分が、チロシナーゼをブロックする働きをします。

3. 表皮細胞へ送り込まれる

メラノサイトでつくられたメラニン色素は、表皮細胞へと徐々に受け渡されていき、ターンオーバーとともに角層へ上がっていきます。

4. シミになる

何らかの原因で、メラノサイトの過剰な活動が収まらずに、メラニン色素がつくられ続けると、シミとなって残ってしまいます。ほかにもターンオーバーが遅くなってシミが残ることもあります。

くり返し紫外線を浴びた結果、角層が厚くなったり、表皮が下方へ延長したり、メラノサイトが増えるなどの変化も見られます。

Vol.154 シミ対策には本物の美白化粧品で

美白成分を確認して選ぶ

化粧品のパッケージが白かったり、ホワイト〜などの商品名など、いかにも美白効果がありそうなイメージの化粧品でも、美白成分が含まれていないものもあります。美白化粧品を選ぶときには、必ず美白成分の含まれているか確認しましょう。主な美白成分については後述しますが、成分がわかりにくい、どんなものを選んだらいいか迷う人は、医薬部外品を目安として選ぶようにしましょう。

効能があると表示するとが認められている
医薬部外品とは、医薬品と化粧品の中間に位置するもので、厚生労働省が有効性を認めた成分を配合したものです。美白用の医薬部外品であれば、必ず美白成分は入っており、日焼けによるシミ、ソバカスを防ぐ、その効能があると表示するとが認められています。ただし、医薬部外品の方が必ず効くというものではなく、医薬部外品でなくてもしっかりとした美白成分を含んでいるものもあります。

シミ対策に欠かせない美白化粧品が、どんな働きをするかというと、紫外線を浴びて肌の中でメラニン色素がつくられるますが、それを抑える働きをすものが美白成分になります。

新しいものほど効果があるとは限らない
美白成分は毎年開発されていますが、新しいものほど効果があるとは限りません。例えば病院で使われる医薬品は、過去に発表されたものより効能が優れていなければ、新薬として認可されませんが、化粧品にはそういった制限がありませんので、新しい=過去のものより効くとはいえないのです。

数ある美白成分の中でどれが一番効くかは、一概には言えませんが、ビタミンC誘導体、コウジ酸、ハイドロキノン、油溶性甘草エキス(グラブリジン)などが、皮膚科の分野でよく使われているものになります。

Vol.153 コラーゲンを増やす代表的な成分 2

ナイアシン(ビタミンB3)

ビタミンCと同様の水溶性ビタミンの一種で、コラーゲンの合成を高め、肌代謝を活性化し、肌にハリを与えます。ビタミンC 誘導体やレチノールに比べて刺激が少ないので、肌が弱いけれど、エイジングケア化粧品を試したいという人に向いています。

選び方のポイント
水溶性の成分なので、化粧水や水性タイプの美容液に配合されています。

使用のポイント
朝晩のケアに顔全体に使うようにしましょう。

レチノール

ビタミンAの一種で、人間の体内にあるものです。肌のターンオーバーを促し、コラーゲンを増やす作用があります。目元の小ジワや浅いシワには、とくに効果があります。法令線や額のシワなどの深いシワにも使えますが、目に見える効果を出すのは難しいようです。また、効果が高い反面、やや刺激が強いので、肌が弱い人は注意をして使いましょう。

選び方のポイン
油溶性なので、美容液やクリームなど、とくにアイクリームに配合されています。シミにも有効な成分です。

使用のポイント
使いはじめは肌がカサつくこともありますが、使っているうちに慣れてきます。どうしてもカサついてしまう人は、ビタミンC誘導体かナイアシンを使うようにしましょう。

レチノールは日光に当たると効果が弱まるので、ナイトケアに使う方が効果的です。朝から使う場合には、上からパウダーファンデーションを重ねるようにしましょう。

角質を落とすピーリングを行ったあとに使用すると、より浸透率が高まり効果的です。

ビタミンC誘導体、ナイアシン、レチノール

以上が、肌のコラーゲンを増やす効果が高いと、科学的にいわれている成分の代表になります。それぞれの成分の特徴を把握して、あなたの肌に最適なものを見つける参考にして下さい。

Vol.152 コラーゲンを増やす代表的な成分

ビタミンC誘導体

ビタミンCは、そのままでは肌に吸収されにくいため、肌に浸透しやすい形に変えたものです。体内のコラーゲンの合成に必要な成分で、美白作用や皮脂抑制作用、抗酸化作用など、さまざまな効果をあわせもつ万能成分になります。

選び方のポイント
クリームより水に配合した方が安定しやすいので、化粧水で使うのが有効になります。いくつか種類がありますが、その中でも「リン酸アスコルビル」や「バルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)」は浸透力が高いので効果的です。

使用のポイント
朝晩のスキンケアの際に、顔全体に使うようにしましょう。美顔器によって肌の奥まで有効成分を浸透させるイオン導入を、週1〜2回程度行うのも効果的です。ビタミンCをつけると刺激を感じたり、肌が乾燥しやすくなったりする人は、次回紹介する「ナイアシン」をおすすめします。

Vol.151 コラーゲンは化粧品によるアプローチで 2

コラーゲン配合化粧品ではなく増やす働きのある成分を

ちまたではコラーゲン配合の化粧品は人気があり、肌に直接コラーゲンを塗れば浸透して、コラーゲンが増えると思っている人も多いようです。しかしコラーゲンは分子が大きいので、塗っても肌の奥の真皮にまでは浸透しないのです。

化粧品に配合されているコラーゲンは主に、魚などからつくられてますが、仮に肌に浸透したとしても、人間の体は本来、自己以外のものを受けつけませんので、私たちの肌のコラーゲンとして定着することはないのです。ただし、化粧品に使われているコラーゲンは、角層の水分を保つ働きがあるので、保湿成分としては有効になります。

シワ対策にもっとも有効な方法は、コラーゲンを増やす成分の配合された化粧品を使うことです。コラーゲンを増やす成分はいくつかありますが、実際に効果が高いとされているものは、ビタミンC誘導体、ナイアシン(ビタミンB3)、レチノール(ビタミンA)などになります。こららの成分は、真皮まで浸透してコラーゲンの生みの親である線維芽細胞の働きを活性化させ、コラーゲンをつくるのを促します。

Vol.150 コラーゲンは化粧品によるアプローチで

コラーゲンを食べても飲んでも肌のコラーゲンにはならない

前回お伝えしたとおり、シワ予防には肌の弾力であるコラーゲンを増やすケアが有効です。ちまたでは、コラーゲンを食べたり飲んだりすることで、プルプル肌になると語られていますが、実際にはそのまま肌に定着することはありません。

コラーゲンなどのタンパク質は、全て消化されてアミノ酸になり、小腸から吸収されます。吸収されたものは必要に応じて、骨や筋肉、皮膚、脂肪などと、いろいろな組織がつくられます。何をどのくらいつくるかは、ホルモンなどがコントロールしています。

肌のコラーゲンを維持する女性ホルモンんは30代から減りはじめ、閉経とともに急激に減少します。材料があっても生産する力がありませんので、残念ながら、いくら材料となるコラーゲンやアミノ酸をとっても、肌のコラーゲンが増えることはありません。